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ユロフスキ&ロンドン・フィルが遂に初来日!来日記念盤が続々登場!

ユロフスキ&LPO

ムラヴィンスキーやクライバーを思わせる快演!
真っ先におすすめしたいディスクはベートーヴェン“英雄”

ゲルギエフに「新しいムラヴィンスキー」と呼ばれたウラディーミル・ユロフスキ(1972~)が、首席指揮者を務めるロンドン・フィルとともにこの秋、いよいよ初来日します。同オケの自主レーベル(LPO)とエイベックス・クラシックスは、来日に合わせるように同コンビのCDや高音質SACDを次々に発売していて、日本の音楽ファンの期待をいやが上にも高めているのはご承知の通りです。

同コンビの演奏を聴くと、音楽をさり気なく進めながら、全ての楽器が見渡せる透明感と最高の感覚美をもち、その中で楽器の浮き沈みや多彩なニュアンスで意味深い表情をつけてゆくところ、確かにムラヴィンスキーを思わせるものがあります。チャイコフスキーの交響曲録音は、まさにムラヴィンスキーが得意とした作品だっただけに、聴衆、批評家の双方から高い評価を得ているのも頷けます。

一方でベートーヴェン、ブラームス、マーラーといったドイツ音楽でユロフスキが聴かせる、独墺系の巨匠達によるヒロイックな解釈とは対照的とも言える独創的な美の世界も実に魅力的です。その最高の精華は、2014年1月22日ライヴのベートーヴェンの交響曲第3番“英雄”に輝き溢れています。

先日亡くなった音楽評論家の岩下眞好氏はユロフスキを「これほどのオーラを感じた指揮者は、1970年代のミュンヘンで若きクライバーを初めて目にしたとき以来絶えてなかった。数年前、ドレスデンでのシュターツカペレの演奏会に登場したユロフスキの第一印象は、それほど強烈だった」と評され、今回の初来日のチラシにも掲載されています。しかし、私には当初ユロフスキとクライバーの印象が重ならず、ずっと不思議な思いを抱いていました。

ところがこの“英雄”を聴いて、一挙にその印象が重なりました。1970年代にクライバー&ウィーン・フィルの“運命”や“第7”がLPレコードで初めて出たときに寄せた作曲家・柴田南雄氏の評言「大編成によりながら、オリジナルのスコアのイメージを蘇生させてしまった」に、まさしくぴったりと合致する演奏が、ユロフスキ&ロンドン・フィルの“英雄”なのです!

第1楽章での新鮮なエネルギーを発散しながら颯爽と進行してゆく音楽の快さ!音色は澄み切って輝かしく、リズムはいかにも軽やかでアクセントは痛快そのもの、モダン楽器によりながら響きの見通しはたいへん良く、総奏の中から木管楽器が自在に浮かび上がって絶妙なニュアンスを聴かせます。

第2楽章葬送行進曲も低弦が常に意味深く音色に翳りを与えながら、足取りは決して重くなることなく、音楽は自然に流れてゆきます。管楽器群が音色に華やかな彩りを加え、美しい抑揚が豊かな呼吸感を生んでいるのも見逃せません。

第3楽章スケルツォではリズムが立ち、ざわめき、フレーズ毎の楽器交代が極めてスムースに行われるとともに、音色と音触のコントラストを次々に描き出してゆくのに魅せられます。トリオもスケルツォの緊張感を解き放つかのようにホルンが嚠喨たる吹奏を聴かせます。

終楽章ではフーガ技法が多用されますが、ユロフスキ&ロンドン・フィルの澄み切った音色が生き、立体的なアンサンブルが隅々まで見渡せ、まるで巨大な構築物の内部にいて輝かしい光が差し込む天井を仰ぎ見るような印象を受けます。しかも、変奏曲形式により、その構築物の内容は絶えず変化・発展して、次々に新たな美観を描き出してゆくのです。ベートーヴェンの冴えわたった筆の走りが、ユロフスキの才気の迸りと相まって圧倒的な音楽美を次々と生み出すさまは、まさに聴き物と言えるでしょう。

その他にもユロフスキ&ロンドン・フィルには素晴らしい名盤が揃っています。以下に作曲家別にご紹介いたします。

(タワーレコード商品本部 板倉重雄)

エイベックス・クラシックスの「ウラディーミル・ユロフスキ指揮ロンドン・フィルハーモニー管弦楽団日本ツアー2017」紹介ページはこちら>>>

ユロフスキ指揮ロンドン・フィルによるベートーヴェン:交響曲第3番“英雄”の試聴ページ(ナクソス・ミュージック・ライブラリ内、※「選択曲を試聴」をクリックすると、各トラックの冒頭30秒のみ再生できます)はこちら>>>

【参考映像】チャイコフスキー:マンフレッド交響曲より
(BBC公式YouTubeページ)

ユロフスキ&ロンドン・フィルのチャイコフスキー(SACDハイブリッド盤)

【参考映像】マーラー:交響曲第5番より
(LPO公式YouTubeページ)

ユロフスキ&ロンドン・フィルのマーラー(SACDハイブリッド盤)

【参考映像】ブラームス:交響曲第2番リハーサル風景より
(LPO公式YouTubeページ)

ユロフスキ&ロンドン・フィルのブラームス:交響曲全集(SACDハイブリッド盤)

【参考映像】ストラヴィンスキー:ヴァイオリン協奏曲より
(Naive公式YouTubeページ)

ユロフスキ&ロンドン・フィルの20世紀作品
ホルストの“惑星”は税抜1,000円の超お買い得盤!

ウラディーミル・ユロフスキ
Vladimir Jurowski , conductor

1972年モスクワ生まれ。95年、コヴェント・ガーデン王立歌劇場にデビュー。以来、ベルリン・フィル、ウィーン・フィル、ロイヤル・コンセルトへボウ管、ニューヨーク・フィル、シカゴ響、ボストン響、ミラノ・スカラ座、メトロポリタン歌劇場など世界の主要オーケストラと歌劇場に客演。現在、ロンドン・フィル首席指揮者をはじめ、エイジ・オヴ・エンライトゥンメント管の首席アーティスト、ロシア国立響の芸術監督、ジェルジ・エネスク音楽祭の芸術監督を務め、17/18シーズンからはベルリン放送響の首席指揮者兼芸術監督にも就任。

ロンドン・フィルハーモニー管弦楽団
London Philharmonic Orchestra

1932年に、世界最高水準のオーケストラを目指してトーマス・ビーチャムによって創設。エイドリアン・ボールト、ベルナルト・ハイティンク、ゲオルク・ショルティ、クラウス・テンシュテットといった偉大な指揮者達との名演の数々で、世界的オーケストラのひとつとして高い人気と評価を獲得。12年にはロンドン五輪の公式国歌の録音を担当し、エリザベス女王即位60周年記念行事でも演奏した。84年と88年のテンシュテットとの来日公演はクラシック史に残る名演として記憶されているが、今回の来日は2001年以来16年ぶりの来日となる。

カテゴリ : Classical キャンペーン

掲載: 2017年05月25日 00:00