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弱音へのこだわりが生んだ美しく雄弁なティーレマン&SKDのブルックナー第3番

ティーレマン


弱音へのこだわりが生んだ美しく雄弁なティーレマン&SKDのブルックナー第3番

ティーレマンとシュターツカペレ・ドレスデンによるブルックナー交響曲チクルス。2012年のティーレマン首席指揮者就任以来進めているプロジェクトでこれまでに、第8番(2012年収録)、第5番(2013年収録)、第9番(2015年収録)、第4番(2015年収録)、第6番(2015年収録)がDVD&BDで発売されています。
今回リリースされるのは交響曲第3番。ブルックナーの交響曲にはたいてい版の問題がつきものですが、今回ティーレマンは第3番に関して1877年第2稿を用いています。第3番は1873年に初稿が完成。その際に第2番と第3番の総譜をワーグナーに見せ、後に第3番を献呈しています。この第1稿にはワーグナーから引用が多く含まれていました。しかし初演の際に演奏不可能とされブルックナーは大幅な改訂を行います。ここでワーグナーから引用されたフレーズは削除されています。これが第2稿となります。1950年に出版された第2稿に基づく校訂をエーザー版と言いますが、これには第3楽章スケルツォのコーダがありません。ティーレマンが用いたのはコーダの含まれる1981年出版の新全集ノヴァーク版。このコーダについては、1878年レティヒ社から出版される際に、ブルックナー自身がコーダを削除することを望んだとされています。
シュターツカペレ・ドレスデンのブルックナーといえば、シノーポリとの録音集がありますが、同コンビで1990年に録音された第3番も、今回ティーレマンと同じ版を用いています。ドレスデンの美しい弦の響きは言うまでもなく、金管の柔らかくも深みのあるサウンドは素晴らしく冒頭の雄大さは圧巻。スケルツォ部分もスリリングでヴァイオリンが奏でる動機が印象強く演奏されています。ティーレマンは細部にまで渡り緻密に表現し、音楽に深く傾倒し、特にコーダへ通じる演奏は、究極の弱音でもって高度な緊張感を持続し、その後の音楽の開放は力みのない深い響きを作り上げています。
(キングインターナショナル)
【曲目】
ブルックナー:
交響曲第3番ニ短調 WAB103「ワーグナー」(1877年稿)
【演奏】
クリスティアン・ティーレマン(指揮)
シュターツカペレ・ドレスデン
【収録】
2016年9月2、3日、フィルハーモニー、ミュンヘン(ライヴ)
映像監督:エリーザベト・メルツァー

カテゴリ : ニューリリース

掲載: 2017年05月23日 00:00