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アルファ・ミスト(Alfa Mist)、自主配信のみで発表された名作『Antiphon』を世界初CD化

Alfa Mist

デビューEPから2年の歳月を経て生み出された今作は、 15歳から作曲活動をしていた彼の10年選手としての風格を感じさせる仕上がりに。地元に息づくグライムやヒップホップを肌で感じながらも、映画音楽を嗜好する彼自身の特異な感性がストーリー性の強い楽曲に昇華されると、それはまるでミンガス作品をネオソウル仕様でドライヴさせたかの様に甘くスリリングな仕上がりに。自身による鍵盤を中心に、ベース、ドラム、ギター、ストリングス、ホーンセクション、Jordan Rakeiによる声楽、さらに今作の印象的なアートワークを手がけたKaya Thomas-Dykeによる歌唱、Alfa本人による語り/ラップもあり、バンドとしては小編成ながらも、ゴージャスで濃密なプロダクションにまとめ上げています。

何も考えず、昨今のジャジーソウルの流れで聴いても最高のムードをもって楽しめますが、一流シェフの様にそこはかとなく散りばめたモダンでオーガニックなアフロ/ラテンフレーヴァーに、リスナーの音楽的好奇心はすぐにくすぐられてしまうことでしょう。音の質感や世界観は違えど、米にThundercatあれば、豪にHiatus Kaiyote あり。そして英にAlfa Mistあり。ジャンルや時代にとらわれない、自由な発想と確かな技術を兼ね備えた若き次世代のジャズという枠で囲おうとすれば、自ずと彼らの名前が挙がってくるでしょう。

Kendrick LamarやJ. Coleなどのダークでアグレッシヴなヒッホップ好きにも、the RootsやD’Angeloなどの濃密なリズムとソウルネスの中毒者にも響く、まったく新しいジャズ。聴いた瞬間、Richard Spavenの描く宇宙やRobert Glasperが示した美学とも共振する新世代ジャズの新たな原風景がそこに広がっていきます。

確実に今後のブラックミュージック・シーンを牽引する存在であり、次のトレンドを予感させるUKジャズ/ソウルの台風の目は、彼です。

 

掲載: 2017年08月30日 11:24