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カラヤンのショスタコーヴィチ第10(1966年録音)がSACDシングルレイヤー化!

カラヤンのショスタコーヴィチ

カラヤン&ベルリン・フィルのSA-CD~SHMシリーズの第6弾は、自身唯一の録音になるショスタコーヴィチ作品。20世紀ロシアにおける最大の交響曲作曲家による10曲目となる交響曲です。スターリン体制崩壊に伴う自身の芸術の解放を詠ったという見方もされている問題作。カラヤンは1969年にモスクワでショスタコーヴィチの目の前でこの作品を演奏。終演後、壇上で揃って並び立ったという有名なエピソードが残されています。

ドイツ・グラモフォンのオリジナル・アナログ・マスターから独Emil Berliner Studiosにて2017年制作、最新DSDマスターを使用。
(ユニバーサル・ミュージック)


カラヤンとショスタコーヴィチ

1969年5月29日 モスクワ音楽院大ホールにて、
聴衆の歓呼に応えるショスタコーヴィチとカラヤン


【曲目】
ドミトリ・ショスタコーヴィチ(1906-1975)
交響曲 第10番 ホ短調 作品93
【演奏】
ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団
指揮:ヘルベルト・フォン・カラヤン
【録音】
1966年11月18、30日 ベルリン、イエス・キリスト教会

カラヤンとショスタコーヴィチの交響曲

カラヤンのショスタコーヴィチ録音は交響曲第10番が唯一のものです。リチャード・オズボーン著「ヘルベルト・フォン・カラヤン」(木村博江訳 白水社)によるとカラヤン自身は第5番や、それ以上に第8番にも興味があったようで、1960年代初頭EMIのクラシック・レパートリー委員会に提案が出されましたが却下されています。カラヤンが第10番を初めてコンサートで取り上げたのは1959年3月ベルリンでのことでした。1953年の初演から僅か六年しか経っていなませんでした。そして、最後に演奏した1982年5月まで19回コンサートで取り上げ、2度のレコード録音を行いました。そして19回のコンサートのうち、1969年5月29日モスクワでのベルリン・フィルとの演奏は、作曲者本人を前にして行われた記念碑的演奏会となりました。オズボーンは下記のように書いています。

 「オーケストラは驚くほど演奏に没入した。指揮者のマリス・ヤンソンスは、『彼らは二百パーセントの力を発揮した。信じられないほどだった』と語っている。ショスタコーヴィチは、演奏修了後にカラヤンとオーケストラのいる舞台に上がり、その演奏と自分に対する敬意に感激をあらわした。カラヤンにとっても、生涯で最高に誇らしい一瞬だったにちがいない」

 ショスタコーヴィチと親しかったソ連のヴァイオリンの巨匠ダヴィッド・オイストラフ(1908~74)はクラウス・ラングとのインタビューの中で、この時のことを語っています。

「ロシアの聴衆はショスタコーヴィチの交響曲第10番の彼の演奏にとても感動したんだよ。ショスタコーヴィチ本人もすごく感動して、私に個人的に、自分の交響曲がこれほど美しく演奏されるのを聴いたことがなかったといったんだよ。それで私は、この私がマエストロ・カラヤンに、『この交響曲第10番に注意を払うべきだ、自分はこの曲がショスタコーヴィチの最も美しい交響曲だと思う』と言ったことを、とても誇りに思っているし、そのことがうれしいんだ」
(ラング著「カラヤン調書」村上彩訳、アルファベータより)

 カラヤンがレコード録音で残した第10番は2種とも評価が高いもので、1966年の第1回録音(日グラモフォン SLGM1415[LP]=当SACD)はドイツ・レコード賞を獲得しています。また、1981年の第2回録音(同 28MG0241[LP]⇒UCCG-51024[CD])は、カラヤンのマニエリスムが極限まで発揮された演奏となっています。2008年にはモスクワでのコンサートをまるまる収めたCDも発売され(露メロディア MELCD1001513[CD廃盤])、当夜会場を包んだ何とも言えない緊張感やベルリン・フィルの熱演ぶり、演奏終了後の聴衆の熱狂が手に取るように伝わってくる内容でしたが、残念ながら現在は廃盤となっています。
(タワーレコード商品本部 板倉重雄)

【参考】
カラヤン2度目の録音(デジタル)
ショスタコーヴィチ:
交響曲第10番
1981年録音

カテゴリ : ニューリリース | タグ : 高音質(クラシック) SACDシングルレイヤー(クラシック)

掲載: 2017年10月11日 00:00