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ワルター&VPOのマーラー交響曲第9番&アダージェットの2017年新リマスター盤が登場!

ワルター&VPOのマーラー

ワルター/ウィーン・フィルによる
マーラー交響曲第9番の究極の復刻(小林利之)

この曲の復刻でいちばんの厄介なのは第1楽章だろう。マーラーは《第9》の作曲に対位法書法を駆使した多声音楽様式をとっている。第1楽章の各主題部は3声の対位法で構成されていて、復刻は、当然耳につきやすい主声部にポイントが当てられるが、第2、第3の声部をも明瞭に適切なバランスで聴きとれることが望ましい。この要諦を確実に守りぬくのがオーパス蔵の信条だ。
SP盤の音溝に刻みこまれたすべての情報を、音楽的な密度も正しくとりこんだ復刻の安定感。それは今や芸術的と言いうる域に達しており、その証拠として、第1楽章最初の6小節からなる序奏部を聴いていただきたい。まず、ppのチェロの低音が出て、ホルンが入り、ハープとホルンにこの楽章の根幹となるリズム動機が示されるが、すべての音がしっかりとした音像で捉えられ、その音たちが個性をもって復刻されているのはオーパス蔵だけと言ってよい。
第1主題の断片がとぎれがちに第2ヴァイオリンで奏されるときの他声部のうごきも明瞭、和声的な雰囲気のなかに第1ヴァイオリンが主題の後半をうたいあげるその優美さ。またいくどもの死の恐怖との対決を思わせる展開部の終わりちかく、第3主題の熱狂的な高潮からなだれ落ちる「最高のゲバルトで」の箇所の金管の咆哮につづくティンパニの運命の強打といった心理的クライマックスでの重低音の緊迫。そんな一方、まさしくウィンナ・ワルツの回想をおもわせる粋なソロ・ヴァイオリンのひとくさりが、たくみにうかび出されてくる終結部の美しい復刻ぶり。第2楽章、第3楽章はどの復刻盤も手ぎれいに仕上げているが、感動の終楽章アダージョで、弦の分厚いけれど、ビロードの輝きを彷彿させるひびきの美しさが、ワルター/ウィーン・フィルの永遠の名演を飾る、忘れがたい全曲の余韻として残ったのは、オーパス蔵による究極の名復刻盤である。(OPK2060から抜粋)

前回マーラーの第9番を出したときはこれ1曲のみでした。当時CDの容量は74分であり、第9番のみでいっぱいでした。それからCD容量も増えたので、今回は「アダージェット」を序奏的なイメージで組み込みました。これによりマーラーの純粋に器楽作品と声楽付きの曲に分けることができます。それより第9番がライヴ録音される前の日に、「アダージェット」がスタジオ録音されたことを考えると、この2曲は並べるべきだと考えたわけです。もちろん第9番の音もヒスも改善されています。(OPUS蔵)

【曲目】
マーラー:
(1)アダージェット(交響曲第5番より)
(2)交響曲第9番 ニ長調
【演奏】
ブルーノ・ワルター(指揮)
ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団
【録音】
1938年1月15日(1)
1938年1月16日(2)(ライヴ)
【原盤】
SP JP-Columbia(アダージェット)、US-Victor(第9番)

カテゴリ : ニューリリース

掲載: 2017年10月25日 00:00