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WEEKEND JAZZ ~週末ジャズ名盤探訪 Vol.129

ハービー・ハンコック/マイケル・ブレッカー/ロイ・ハーグローヴ『ディレクションズ・イン・ミュージック (マイルス&コルトレーン・トリビュート)』(2002)

DIM

ハービー・ハンコック(p)
マイケル・ブレッカー(ts)
ロイ・ハーグローヴ(tp)
ジョン・パティトゥッチ(b)
ブライアン・ブレイド(ds)

2001年10月25日、トロント、マッセイ・ホールにてライヴ録音

曲目 ※作曲者:
01.ザ・ソーサラー ※ハービー・ハンコック
02.ザ・ポウイット ※ロイ・ハーグローヴ
03.ソー・ホワット/インプレッションズ ※マイルス・デイヴィス/ジョン・コルトレーン
04.ミステリー ※ブレッカー、ハンコック、ハーグローヴ
05.ナイーマ ※ジョン・コルトレーン
06.トランジション ※ジョン・コルトレーン
07.マイ・シップ ※クルト・ワイル
08.D・トレーン ※マイケル・ブレッカー

【アルバム紹介】
1.1953年、カナダのマッセイ・ホールの歴史的公演から48年後の最高峰のライヴ・ドキュメント
2.マイルス・デイヴィスとジョン・コルトレーンの生誕75周年ツアーの公演を収録
3.ハービー・ハンコック、マイケル・ブレッカー、ロイ・ハーグローヴら世代の異なるトップ・プレイヤーたちの力演

前回ご紹介のアルバム『ジャズ・アット・マッセイ・ホール』は1953年にカナダのマッセイ・ホールで行われたライヴの模様を収録したものでしたが、その当時のジャズ・ジャイアンツたちの一期一会のパフォーマンスから48年、時は21世紀になっており、2001年に同じマッセイ・ホールで行われたライヴが今回のアルバムになります。

ライヴはマイルス・デイヴィスとジョン・コルトレーンの生誕75周年のツアーの公演を収録したもので、ハービー・ハンコック、マイケル・ブレッカー、ロイ・ハーグローヴという世代も違う3人のトップ・プレイヤーが顔を揃えた当時のジャズ・シーンでの最高峰のライヴ・ドキュメントになっています。

楽曲は3人のオリジナル曲を含め、マイルス、コルトレーン両者の代表曲を取り上げており、マイケル・ブレッカーはコルトレーン役、ロイ・ハーグローヴはマイルス役というプレイが光る演奏が随所で聴けますが、コルレーンの名曲“ナイーマ”はマイケル・ブレッカーによる無伴奏の完全なソロ・パフォーマンスになっています。
そしてなによりも、60年代のマイルス・クインテットのメンバーであったハービー・ハンコックが参加していることで両ジャズ・ジャイアンツのトリビュート色がより強まった内容になっているといえます。

【スタッフのつぶやき:この1曲を必ず聴いて下さい】
マイルスとコルトレーンの曲をドッキング“ソー・ホワット/インプレッションズ”

この曲はマイルス・デイヴィスの大傑作『カインド・オブ・ブルー』に収録されている代表曲“ソー・ホワット”と、ジョン・コルトレーンの代表曲“インプレッションズ”というコード進行がほぼいっしょの2曲をドッキングさせた演奏となっており、実際にはテーマは“インプレッションズ”のメロディが出てきます。
原曲の雰囲気とは少々異なり、ここではテンポを落としてクールな雰囲気のアレンジで聴かせています。ソロはフルトーンで吹きまくるロイ、続いてハードブロウを放つマイケルと展開してゆき、ハービーのフリーでありながらも曲をどんどん高揚させてゆくバッキングも見事で、13分近い熱演を聴かせます。
なお、第45回グラミー賞にも輝いた本作のこのメンバーは2003年2月に日本公演も行われ大好評を博しました。
マイケル・ブレッカーもロイ・ハーグローヴもこの当時はジャズ・シーンの活況の中心にいた存在でしたが、本作から20年後の2021年の現在は故人となってしまっているのが残念でなりません。

国内盤SHM-CD(一般普及盤)

タグ : WEEKEND JAZZ

掲載: 2021年05月21日 10:00

更新: 2021年05月21日 10:00