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週刊ライドオンタイム 第4号

山下達郎

週刊ライドオンタイム Vol.1

11年ぶりとはオマタツが過ぎますが、山下達郎、待望のオリジナルアルバム『SOFTLY』発売のビッグニュースにいてもたってもいられないタワレコスタッフにより結成された<週刊ライドオンタイム編集部>による音盤紹介コラム。ニューアルバム『SOFTLY』発売まで毎週upしてまいります、ひとつよしなに!

【今回は…】
『週刊ライドオンタイム』第4週は、ローラさんの出演で話題となった、エステティックTBC/ソシエ エステティック TV-CMソング「SHINING FROM THE INSIDE」のファルセットに震え続けている私から「ファルセット特集」をお届けします。いや、タツローさん曰くファルセットではなく『裏声』でした(笑)。サンソンでも過去に「男性裏声シンガーで棚からひとつかみ」を特集しておりまして、その時はThe Beach BoysからThe Stylistics、Eddie Holmanといった往年のレジェンドたちが特集されていました。今回はそれにあやかり現代の男性ファルセット(裏声)特集でお届けします。どれも数十年後には必ずや「名盤」として名を残すであろう作品群となっています。(タワーレコード渋谷店店長:アオタツ)

Aaron Frazer『INTRODUCING...』

Durand Jones & The Indicationsのドラマーでもあるアーロン・フレイザーが2021年にリリースした作品。なんとプロデュースはブラック・キーズのダン・オーバック。なるほど、この作品がとんでもなくヴィンテージ臭が凄まじいのはダンの影響なのか。と納得。そんなサウンドにアーロン・フレイザーのシルキーな極上ファルセットは相性抜群、一気に70年代までタイムスリップさせてくれる。トロトロの(1)から最後まで全12曲ず~~~っとメロウ。しかもドラムは本人が叩いているのでリズム全体の輪郭はクッキリしておりノレる。これはスウィートソウル史に残る名盤の誕生。まだ未聴のかたは必聴。


Holy Hive『Holy Hive』

極上ファルセット!エイミーワインハウス、ブルーノマーズ…etc 名だたるスターのバックでドラムを務めてきたホーマー・スタインウェイスを中心としたブルックリンのトリオ。フォークとソウルをメロウに溶かした20年のデビュー作がじんわり話題となりロングセールスを続ける中、早くもリリースされた作品。ん?これは素晴らしい。ホームシェイクやマイルド・ハイ・クラブなど昨今のUS西海岸系インディと共振するチルでメロウな雰囲気を持ちながらも60sフォーク、70sクラシックソウル…これまで数多くのレコードを掘って聴き倒してきたんだろうな?って思わせる確かなルーツもあり。フォークとソウルってこれまでにやってきたアーティストは数多くいたけど、ここまで当時の空気を持たせ、かつモダンに溶かした完璧なフォークソウルはなかったかも。極上メロウ(1)からポップマエストロとしての才能も感じる(2)、アシッドフォークへの影響も感じる(6)、トロけるほどに心地良い(7)、時代錯誤の(8)、さらにメロウを極める(12)...なにも考えなくて良いただレコードに針を落とせば心地良い時間の始まり...


Mayer Hawthorne『A Strange Arrangement』

2009年リリースの作品。当時はまさかStones Throwからこんな作品が出るとは思ってもおらず、さっそく(1)(2)を聴いてみると...まるでスモーキー・ロビンソンを彷彿とさせる上品なノーザンソウルマナーな楽曲が流れてくるではないか!!!若干かすれ気味で唄われるファルセットはタツローさんともカーティス・メイフィールドとも異なる完全にメイヤー・ホーソーンだけの世界観を演出。それもそのはず彼は生粋のデトロイト育ちでありました。納得。続いて(4)は小粋なミドルダンススタイルとなっておりここら辺で軽く心を躍らせておいて、極めつけはトロトロにあま~~い(10)。イントロでいきなりメイヤーは「oh~girl~~♪」とファルセットで2度シャウトをかましてからそのままスローバラードの世界へ突入。その後もメイヤーはコンスタントに作品をリリースするが、70年代にトリップアウトできるのは本作のみ。いまだに聴き続けているクラシック盤。


D'Angelo And The Vanguard『Black Messiah』

本企画を考えたときにまだまだ知られていない盤など色々と紹介したいのですが、やっぱり外せませんでした。。。2015年にリリースされた「D」ことディアンジェロの3枚目。本作はD'Angelo And The Vanguardという名義での作品になっており、ディアンジェロが共に演奏をしたアーティストへのリスペクトと拘りが感じられとても嬉しい気分に。2000年にリリースされた前作「Voodoo」の時からお馴染みのクエストラヴやピノ・パラディーノ(ベース)が参加しており、唯一無二のブラックサウンドをこれでもかと演出。そして本作品でDのファルセットが最も堪能できるのが(5)「Really Love」。とても官能的な美メロはDの裏声をより一層盛り上げてくれる。ラスト(12)「Another Life」は壮大なファルセットソングのため必聴。ちなみにピノ・パラディーノのキャリア初のアルバム『Notes With Attachments』も必聴。


山下達郎『MOONGLOW』

達郎さんのアルバムから一枚だけ選んで。と言われたら迷わず(いや、めっちゃ悩んだ上で)「MOONGLOW」です。それは達郎さんの裏声が最も堪能できる(7)「Touch Me Lightly」が収録されているから。達郎さんの裏声ソングと言えば「悲しみのJODY」や「愛を教えて」なども挙げられるが、全編英語詩で唄われた極上スローバラードの「Touch Me Lightly」がNo.1!!
さらに本アルバムには私の中の達郎さんフェイバリットソング(1)「夜の翼」が収録されていることがNo.1の最大の理由。1分30秒という短い楽曲でありながら達郎さんのひとりアカペラコーラスが繰り広げられる最高の一曲。短い曲だからこそ後ろ髪を引っ張られる感じで何回もリピートしてしまう...。冒頭で唄われる重圧なハミング部分は、居酒屋探訪家としての活動で知られる太田和彦氏の名TV番組「ふらり旅 いい酒いい肴」内でも使われており、オシャレな番組の雰囲気をよりいっそう醸し出す役目を果たしております。なので「MOONGLOW」を再生する際は日本酒が必須(笑)。さらに同番組のオープニングとエンディングは、はっぴいえんど「風をあつめて」となっており、ファンにはたまらない番組なので、まだ観たことが無い方はぜひ!


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山下達郎、11年ぶりのオリジナルアルバム『SOFTLY』6月22日発売


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タグ : 週刊ライドオンタイム シティ・ポップ [anoto]

掲載: 2022年05月13日 12:00