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エリック・ル・サージュ『空中庭園』(1860-1946年のフランス作曲家によるピアノ小品集)

ル・サージュ

フランス音楽の名手が編んだ、近現代の知られざるピアノ名品26作の美しい世界。

ベル・エポックと狂乱の20年代の間、癒されなければならない2つの世界大戦の前後、すべての世界が目まぐるしく発展をしていく中で、音楽には、静けさ・人間らしさ・親密さが求められていました。電気、蓄音機、自転車、パリの地下鉄が人々の日常生活に入り込み、女性たちが解放される時代に、22人のフランスの作曲家たちが魂を込めて作曲したピアノ音楽の小品がこのアルバムに収録されています。ダダイズム(1910年代半ばに起こった芸術思想・芸術運動)やシュルレアリスム(戦間期にフランスで起こった作家アンドレ・ブルトンを中心とする文学・芸術運動)といった新しい潮流の影響を受けながら、他の芸術家たちのような破壊や解放の衝動を表現することなく、進化を遂げた作曲技法によって生み出された作品は、超現実的かつ自由であり、音楽の「空中庭園」のように時間の流れからは屹立し、表現形式よりも印象に、感情よりもアイデアに関心があるように感じられます。古くは19世紀のフランクとショーソン、新しくは20世紀のジャン・アラン。その間に活動した、デュポン、クラ、オーベール、ダンディ、アーン、イベール、ピエルネ、ヴィエルヌ、サマズイユ、シュミット、シャミナード、ブーランジェ、オネゲル、タイユフェール、セヴラック、サン=サーンス、プーランク、サティ。これらの作曲家は、フランス音楽にとって特に豊かな時代を象徴しています。このアルバムに収録された26の小品は、深みと誠実さをもっていますが、残念なことにあまり知られていない小さな隠れ家のようでもあります。1曲1曲それぞれが、自然や牧歌的な風景を巧みに呼び起こし、時間を止め、謎めいていて、ノスタルジーを湛え、ロマン派が終焉を迎えてからの、個性的な彩りを帯びています。
パユ、メイエら管のスーパーヴィルトゥオーゾ名手達の最良のパートナーでもある名ピアニスト、ル・サージュは特にフランス音楽のスペシャリストとして名高く、これらの選曲はさすがル・サージュならではのもの。抒情性、浮遊感、軽快さ、力強さといった絶妙なバランスによって色彩感を編み出し、各作品の魅力を伝えています。

「音楽がストリーミングで聴かれ、流行歌やムードが世の中の趨勢となっている現在だからこそ、魅力的でしかも内容のある音楽のパノラマを編んでみました。『空中庭園』は、20世紀前半のフランス音楽の中から私が選んだ小品を集めた、いわば忘れ去られた小さな詩集のようなものです。ラヴェル、ドビュッシー、フォーレはここには含まれておらず、その傍らで花を咲かせたフランス音楽の清華を選び抜きました。このアルバムを聴いていただいて、これらの小品が属している曲集を聴いてみたい、作況化のことをもっと知ってみたいと思っていただけると、ピアニスト冥利に尽きるというものです。」(エリック・ル・サージュ)
(ソニーミュージック)

収録内容
ガブリエル・デュポン(1878-1914):『憂鬱な時間』より「日曜日の午後」
ジャン・クラ(1879-1932):『2つの景色』より「海の景色」
リリ・ブーランジェ(1893-1918):『ピアノのための3つの小品』より「古い庭園から」
レイナルド・アーン(1874-1947):『当惑したナイチンゲール』より第52曲「冬」
エリック・サティ(1866-1925):『グノシェンヌ第2番』
ジャック・イベール(1890-1962):『水辺の朝』
カミーユ・サン=サーンス(1835-1921):『のんきなワルツ』変ニ長調 Op.110
ヴァンサン・ダンディ(1851-1931):『旅の画集』Op.33 より第4曲「緑の湖」
ルイ・ヴィエルヌ(1870-1937):『2つのピアノ曲』Op.7 より「秋の印象」
ガブリエル・ピエルネ(1891-1974):『15の小品』Op.3 より「前奏曲」
ルイ・オーベール(1877-1968):『3つのエスキース』Op.3 より第2曲「夜想曲」
ガブリエル・デュポン(1878-1914):『砂丘に建つ家』より「星の光」
レイナルド・アーン(1874-1947):『ワルツ第1集』より 第5番「夢見るショパンの影で」
エリック・サティ(1866-1925):『グノシェンヌ第1番』
ジェルメーヌ・タイユフェール(1892-1983):『2つのワルツ』より「ゆるやかなワルツ」
ギュスターヴ・サマズイユ(1877-1967):『海の唄』より第1曲「前奏曲」
フローラン・シュミット(1870-1958):『秘められた音楽 第1集』Op. 16 より第1曲「やわらかく、落ち着いた雰囲気で」
セシル・シャミナード(1857-1944):『無言歌集(言葉のないロマンス)』Op.76 より第1曲「想い出」
アルテュール・オネゲル(1892-1955):『ショパンの思い出』
エルネスト・ショーソン(1855-1899):『風景』Op.38
フランシス・プーランク(1899-1963):『絹の音楽』より「ワルツ」
ジャン・アラン(1911-1940):『簡素な組曲』より第2曲「舟歌のように」
デオダ・ド・セヴラック(1872-1921):『ロマンティックなワルツ』
エリック・サティ(1866-1925):『グノシェンヌ第3番』
ナディア・ブーランジェ(1887-1979):『新しい人生へ』
セザール・フランク(1822-1890):『前奏曲、フーガと変奏曲 ロ短調』Op.18 より「前奏曲」

【演奏】
エリック・ル・サージュ(ピアノ)

【録音】
2022年3月19-20日、ベルギー、クリス・メーネ・ピアノ工房

カテゴリ : ニューリリース

掲載: 2022年09月09日 12:00