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WEEKEND JAZZ ~週末ジャズ名盤探訪 Vol.238

マイク・マイニエリ『枯葉(インサイト)』(1968)

MM

マイク・マイニエリ(vib)
ジョー・ベック(g)
リン・クリスティ(b)
ドン・マクドナルド(ds)

1967年録音

曲目:
01.枯葉
02.スケーティング・イン・セントラル・パーク
03.レイン・チャイルド
04.オン・ザ・トレイル
05.インスタント・ガーリック
06.ミネソタ・シンス
07.レントより遅く

【アルバム紹介】
1.名ヴァイブ・プレイヤー、マイク・マイニエリの初期リーダー作
2.スタンダード、クラシック楽曲のカヴァー、自身のオリジナルなどで構成
3.編成はヴィブラフォン、ギター、ベース、ドラムスのカルテット

ジャズ・ヴィブラフォンの名盤は今回が最後です。ご紹介するのは、名ヴァイブ・プレイヤーであるマイク・マイニエリの初期リーダー作です。

マイク・マイニエリといえば、フュージョン・ファンにはお馴染みの存在で、自身が率いるステップス・アヘッドでの活動であったり、ギタリストの渡辺香津美の名盤『TO CHI KA』のプロデュースなどで知られています。
1938年ニューヨークに生まれ、最初にプロとしてヴィブラフォンをプレイしたのは14歳の頃で、50年代の後半から60年代初頭までバディ・リッチのバンドで活躍していました。その後スタジオ・ミュージシャンとしての仕事を始め、60年代終わり頃から徐々にフュージョン寄りの活動に移行してゆきました。

本作はマイニエリの活動がクロスオーバー/フュージョンに移行する以前のものであり、その内容はスタンダード、クラシック楽曲のカヴァー、そして自身のオリジナルなどで固められており、ストレートなジャズ演奏もあれば、ジャズ・ロック風の演奏もあり、といったものになっています。
編成はヴィブラフォン、ギター、ベース、ドラムスで、ギターには後にクロスオーバー系のプレイヤーとして頭角をあらわしてゆくジョー・ベックが参加しています。

【スタッフのつぶやき:この1曲を必ず聴いて下さい】
エモーショナルな演奏が光る“枯葉”。

ジャズ・スタンダードではお馴染みの1曲と言える“枯葉”でアルバムは幕をあけ、エモーショナルでダイナミクスに溢れた演奏で魅了しています。
曲はヴィブラフォンとギターで静かに始まりますが、ブラシワークのドラムスのビートに乗ってテーマ・メロディーが提示されてゆきます。ソロはギターが最初、途中からスティックに持ち替えたドラムスが音量豊かにソロを盛り上げます。一段落したところで、ソロがヴィブラフォンに移り、流麗なフレージングで展開します。徐々にビートも強くなってゆき、やがてソロも最高潮に達します。再び静けさが戻ると、ギターはスライド・ギターのようなアプローチを聴かせ、そのままテーマが回帰することなく、エンディングをむかえます。
フュージョン系のアーティストとしてのマイク・マイニエリを聴き親しんできた方には、アルバム全体を通して非常に初々しい演奏に聴こえなくもないですが、ジャズ・ヴィブラフォンの隠れ名盤として聴けば興味深い一枚、と言えるでしょう。

国内盤CD

タグ : WEEKEND JAZZ

掲載: 2023年07月28日 10:00