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〈Brilliant Classics〉2023年12月下旬発売新譜情報(8タイトル)

ブリリアントクラシックス

ブリリアント・クラシックスは1997年にオランダのピアニスト、ピーター・ヴァン・ウィンケルによって設立された廉価盤レーベルです。始めはオランダで500店舗を展開するドラッグ・チェーンのみで発売され、低価格と同チェーンの広告誌での宣伝効果により爆発的な売り上げを示しました。オランダでの成功を受けて世界展開を始め、2010年にドイツ、ハンブルクを拠点とする独立系の音楽配給会社エーデルの傘下に入った後も、毎月のように廉価盤の新譜を10点程度リリースしています。ここでは2023年12月新譜8タイトルをご紹介いたします。
(タワーレコード)



品番:96923
ポリフォニーから名技まで聴かせる無伴奏ヴィオラ名曲集

レーガー:無伴奏ヴィオラのための3つの組曲、ほか
ルーカ・サンツォ(ヴィオラ)


ヴィオラの思慮深げでメランコリックな音色が最も生きるのが無伴奏作品。少しバッハ風なところもあるマックス・レーガーの組曲を中心としたこのアルバムでは、組み合わせのヴュータン、ペンデレツキ、ブリテン、ストラヴィンスキーによる4曲の小品の内容もエレジーのような内容が中心。演奏のルーカ・サンツォは近現代音楽にも強いイタリアのヴィオラ奏者で、それぞれの作品の個性を浮かび上がらせてヴィオラの魅力を堪能させます。
作品情報
●レーガー:無伴奏ヴィオラのための3つの組曲(トラック1~12)
ドイツの作曲家、マックス・レーガー[1873–1916]は、50以上の作品をバッハに捧げたバロック・マニアな人物でもあります。レーガーはフーガ、パッサカリア、シャコンヌなど対位法形式の音楽を好み、これら3つの組曲にもそうした趣向が反映されていますが、第1次大戦中の1915年に作曲されたこともあってか、組曲第1番と第3番ではほの暗いエレジーのような雰囲気も印象的です。
●ヴュータン:無伴奏ヴィオラのためのカプリッチョ「パガニーニへのオマージュ」(トラック13)
ベルギーの作曲家、アンリ・ヴュータン[1820-1881]は、ヴァイオリンの名手として知られ、14歳でのロンドン・デビューに際してはパガニーニ[1782-1840]やベルリオーズ[1803-1869]とも出会っています。ヴュータンは53歳で脳卒中の発作に見舞われ半身が麻痺、残りの8年間はつらい生活でした。「パガニーニへのオマージュ」は、大先輩との若き日の出会いに想を得たのか、ノスタルジックな泣き笑いのような曲になっていて不思議な魅力があります。
●ペンデレツキ:無伴奏ヴィオラのためのカデンツァ(トラック14)
ポーランドの作曲家、クシシュトフ・ペンデレツキ[1933–2020]は、前衛的なスタイルで成功し、記譜法も実験的でしたが、1970年代なかばからは五線譜への記譜に復帰。1984年に書かれたこの「カデンツァ」も、小節線や拍子記号は無いものの、五線譜に記譜されています。前年に書かれたヴィオラ協奏曲の素材が使用されたりしていることから、協奏曲のカデンツァと見做すこともできますが、緩急緩の構成と、急の部分でのバロック的ともいえる親しみやすさは緩の部分の嘆き傾向とのコントラストも明確で、独立した作品としての存在感も十分です。作品はソ連出身のヴァイオリンとヴィオラの名手、グリゴリー・ジスリンのために書かれています。
●ブリテン:無伴奏ヴィオラのためのエレジー(トラック15)
イギリスの作曲家、ベンジャミン・ブリテン[1913–1976]が1930年に作曲した「エレジー」は、16歳と8か月のときの作品。ブリテン少年はピアノとヴィオラが得意で作曲は5歳から始めていたという天才ぶりで、10代前半にはフランク・ブリッジに長く師事していました。この作品はロンドンの王立音楽大学に入学する直前に書かれたもので、直近2年間のノーフォークの寄宿学校生活のつらい思い出が投影されています。
●ストラヴィンスキー:無伴奏ヴィオラのためのエレジー(トラック16)
ロシア帝国生まれの作曲家、イーゴリ・ストラヴィンスキー[1882–1971]がアメリカ暮らし4年目の1944年に作曲した「エレジー」は、同じくアメリカ暮らし4年目のプロ・アルテ四重奏団の創設メンバーであるヴィオラ奏者、ジャーマン・プレヴォスト(ジェルマン・プレヴォ)からの委嘱作。主旨は1940年11月に白血病のため亡くなったプロ・アルテ四重奏団創設者で第1ヴァイオリン奏者のアルフォンス・オンノウ(アルフォンス・オンヌー)を追悼するというもの。聖歌や対位法の要素も取り入れた作風で、悲しみと親密さが同居したような独特な魅力があります。
演奏者情報
ルーカ・サンツォ(ヴィオラ)
ルーカ・サンツォはブルーノ・ジュランナの弟子で、ソリストとして活動するほか、ミケランジェロ四重奏団を創設するなど室内楽にも熱心なヴィオラ奏者。19世紀と20世紀の音楽を専門とするグループ「パルコ・デッラ・ムジカ・コンテンポラネア・アンサンブル」の長年のメンバーでもあり、聖チェチーリア音楽院のヴィオラ教授も務めています。
CDは、Brilliant Classics、Tactusなどから発売。

【曲目】
マックス・レーガー[1873–1916]
無伴奏ヴィオラのための3つの組曲 Op.131d (1915)  30'15
組曲第1番ト短調  11'31
1. I. Molto sostenuto 4'29
2. II. Vivace 3'11
3. III. Andante sostenuto 2'35
4. IV. Molto vivace 1'16
組曲第2番ニ長調  09'26
5. I. Con moto (non troppo vivace) 2'08
6. II. Andante 3'24
7. III. Allegretto 1'38
8. IV. Vivace 2'16
組曲第3番ホ短調  09'18
9. I. Moderato 3'14
10. II. Vivace 1'54
11. III. Adagio 2'40
12. IV. Allegro vivace 1'30
アンリ・ヴュータン[1820–1881]
13.  無伴奏ヴィオラのためのカプリッチョ ハ短調 Op.55(遺作)「パガニーニへのオマージュ」 3'08
クシシュトフ・ペンデレツキ[1933–2020]
14.  無伴奏ヴィオラのためのカデンツァ(1984) 7'34
ベンジャミン・ブリテン[1913–1976]
15.  無伴奏ヴィオラのためのエレジー(1930) 6'19
イーゴリ・ストラヴィンスキー[1882–1971]
16.  無伴奏ヴィオラのためのエレジー(1944) 4'46
【演奏】
ルーカ・サンツォ(ヴィオラ)
【録音】
 2023年3月14~16日、イタリア、ラツィオ州、ローマ県、アルデーア、ニュー・スタジオ「G&G」

品番:96949
ロマン派ヴァイオリン・ソナタの傑作をリアルな演奏で

グリーグ:ヴァイオリン・ソナタ全曲
ジェルマーナ・ポルク・モラーノ&ブルーノ・カニーノ


演奏家の解釈のために、楽譜の強弱や繰り返し指定がぞんざいに扱われたり、細かな部分が弾き飛ばされたりすることも多いヴァイオリン作品ですが、ここではイタリアのジェルマーナ・ポルク・モラーノとブルーノ・カニーノがグリーグの楽譜を尊重したアプローチで作品のリアルな姿を丁寧に表現。
3つのヴァイオリン・ソナタはグリーグのお気に入りだった作品で、以下のようなことを述べてもいました。
「ヴァイオリンとピアノのための3つのソナタは、私の最高傑作のひとつであり、私の成長の段階を表しています。第1番はまだ純朴でお手本通りのところが多く、第2番は国民的(民俗的)、第3番はより広い視野を持ったものです。」
作品情報
ヴァイオリン・ソナタ第1番(トラック1~3)
グリーグはライプツィヒ音楽院で学んだのち、デンマークのコペンハーゲンに移り住みニルス・ゲーゼらと交流。1864年には友人たちと北欧音楽の普及を目的とした「エウテルペ協会」を設立し、民俗音楽とクラシック音楽の組み合わせを追及するようにもなります。ヴァイオリン・ソナタ第1番は、デンマーク時代2年目の1865年夏に作曲。ドイツ音楽の影響が色濃く残るものの、グリーグらしい北欧的な要素も盛り込まれた力作です。初演は同年11月中旬にライプツィヒのゲヴァントハウスでおこなわれ、評判は上々でした。
ヴァイオリン・ソナタ第2番(トラック4~6)
グリーグは1867年6月にいとこのソプラノ歌手ニーナ・ハーゲルップと結婚し、7月にヴァイオリン・ソナタ第2番をクリスチャニア(現オスロ)で3週間という短期間で作曲しています。構造と形式は2年前の第1番と似ていますが、扱う素材はノルウェー的なものが多く、民俗音楽のリズムが作品を大きく特徴づけています。
ここまで民俗音楽にこだわった背景には、前年3月に「エウテルペ協会」メンバーのノルドクラーク(ノルウェー国歌の作曲者)が23歳の若さで結核のため亡くなってしまったことが影響しているかもしれません。
ヴァイオリン・ソナタ第3番(トラック7~9)
ヴァイオリン・ソナタ第3番は第2番の20年後、44歳になった1887年に作曲。グリーグは1884年にベルゲン南部に土地を購入して自宅「トロールハウゲン」を建て、そこを拠点に夫婦で国際的な演奏活動をおこなっていました。
作曲のきっかけとなったのは、トロールハウゲンを訪れた20歳のイタリア人女性ヴァイオリニスト、テレジーナ・トゥーアによるヴァイオリン演奏でした。グリーグの作曲技法は熟達し、民俗的な要素とクラシック音楽のスタイルを見事に融合させています。  

演奏者情報
ジェルマーナ・ポルク・モラーノ(ヴァイオリン)
1988年生まれ。2006年にベルガモ音楽祭管弦楽団のヴァイオリン奏者としてイタリア、日本、スウェーデンのツアーに参加。2010年にはベルガモのG.ドニゼッティ高等音楽研究所で最高の成績で学位を取得、最も優秀な卒業生としてベルガモ市がロータリー賞を授与。
第11回国際音楽コンクール・イタリア・フェスティヴァルで優勝し、特別賞「ソリストとオーケストラ」も受賞。第30回ミケランジェロ・アバド国際ヴァイオリニスト・コンクールでは第3位(第1位、第2位は無し)を獲得。
以後、ソリスト、室内楽奏者としてヨーロッパ各国とアメリカ、アジアなどで世界的に活動。
レコーディングでは、2016年にアレンスキーのピアノ三重奏曲集をブリリアント・クラシックスで録音していたほか、2018年にダ・ヴィンチ・クラシックスでニールセンのヴァイオリン・ソナタ全集を録音。2019年にもダ・ヴィンチ・クラシックスで、ジャコモ・メルキのヴァイオリンとギターのための作品を録音していました。

ブルーノ・カニーノ(ピアノ)
1935年、ナポリで誕生。ミラノ音楽院でピアノと作曲を、ベルン音楽院でピアノと室内楽を修め、1950年代後半までに、フェルッチョ・ブゾーニ、ボルツァーノ、ダルムシュタットなどの国際コンクールで入賞。
以後はソリストおよび室内楽奏者として、ヨーロッパ、アメリカ、オーストラリア、日本、中国などで活動。膨大な数の有名演奏家との共演のほか、現代作品にも熱心に取り組み、ベリオ、シュトックハウゼン、リゲティ、ブーレーズ、マデルナ、ノーノ、ブッソッティ、カーゲルらと交流し、世界初演も多数実施。
教育活動にも精力的で、マスタークラスだけでなく、ミラノ音楽院で24年、ベルン音楽院で10年教え、現在もフィエーゾレ音楽院でピアノによる室内楽を受け持っているほか、1997年には著書「室内楽ピアニストの手引書」、2015年には著書「音楽が無ければ」も出版。
CDは、Brilliant Classicsなどから発売。

【曲目】
エドヴァルド・ハーゲルップ・グリーグ[1843-1907]
ヴァイオリン・ソナタ全集

ヴァイオリン・ソナタ第1番ヘ長調 Op.8 (1865)
1. I. Allegro con brio 9'40
2. II. Allegretto quasi andantino 5'09
3. III. Allegro molto vivace 10'05

ヴァイオリン・ソナタ第2番ト長調 Op.13 (1867)
4. I. Lento doloroso. Allegro vivace 9'31
5. II. Allegretto tranquillo 6'13
6. III. Allegro animato 5'31

ヴァイオリン・ソナタ第3番ハ短調 Op.45 (1886)
7. I. Allegro molto ed appassionato 9'13
8. II. Allegretto espressivo alla romanza 6'24
9. III. Allegro animato 7'39

ジェルマーナ・ポルク・モラーノ(ヴァイオリン)
ブルーノ・カニーノ(ピアノ)

【録音】
 2022年3月17~18日、イタリア、ロンバルディア州、モンツァ・エ・ブリアンツァ県、ベルナレッジョ、バルトーク・スタジオ

20世紀フランスの作曲家ミゴによるギターの多様な世界

ジョルジュ・ミゴ:ギター作品全集
ヴァレリオ・チェレンターノ(ギター)、原璃菜子(ソプラノ)、ほか


20世紀のエリック・サティとも譬えられた作曲家、ジョルジュ・ミゴはオーケストラ曲やピアノ曲、声楽曲で知られていましたが、ギターの為にも作曲しており、それらをまとめたのがこの2枚組アルバムです。内容はギター・ソロの曲が約30分、ソプラノとギターの曲が約13分、ギター・デュオの曲が約34分、フルートとギターの曲が約19分となっており、さまざまなギターの音楽を聴くことが可能となっています。英文ブックレットにはヴァレリオ・チェレンターノによるミゴについての紹介文と作品解説が掲載。
演奏者情報
ヴァレリオ・チェレンターノ(ギター)
ナポリ近郊のサレルノ国立音楽院を優秀な成績で卒業し、サレルノ大学では音楽美学をテーマとした学位論文「スペイン・ギターの流行による17世紀のナポリ音楽」を執筆。国際的な名手たちの下で数々のマスタークラスにも参加し、国内の数多くの音楽コンクールで優勝。国際コンクールでは、2009年、ガルニャーノ第2位、2010年、サッサーリ第3位、2013年、ローマ第2位など。その後、ソリストとして、また室内アンサンブルでの演奏活動を展開。
CDは、Brilliant Classics、Da Vinciなどから発売。
ニコラ・モンテッラ(ギター)
1987年生まれ。8歳でクラシック・ギターのレッスンを開始。ポテンツァのジェズアルド・ダ・ヴェノーザ音楽院とアヴェッリーノのドメニコ・チマローザ音楽院で教育と演奏の学位を取得しドイツのコブレンツ国際音楽アカデミーで研究を継続。
以後、ヨーロッパを中心にアジアなどでも演奏。
CDは、Brilliant Classics、D'Addarioなどから発売。
原璃菜子(ソプラノ)
新潟市西区出身。新潟明訓高等学校卒。国立音楽大学卒。東京藝術大学大学院音楽研究科声楽(独唱)専攻修了。新国立劇場オペラ研修所第15期修了。第43回新潟県音楽コンクール大賞受賞。第21回奏楽堂日本歌曲コンクール第2位。第64回全日本学生音楽コンクール(大学・一般の部)東京大会第2位、全国大会第3位。 2015年9月からさわかみオペラ芸術振興財団の助成を得てボローニャへ留学。2016年12月、トスティ国際コンクール特別賞受賞。2019年10月、第5回エルザ・レスピーギ国際近代歌曲コンクール特別賞受賞。イタリア在住。
フランコ・アスコレーゼ(フルート)
1997年、ナポリ近郊のサレルノの音楽家一家に誕生。G.マルトゥッチ音楽院でサルヴァトーレ・ロンバルディの指導の下、フルート科を110/110の最優秀成績で卒業。続いてローマの聖チェチーリア国立アカデミーで上級課程を修了し、ルガーノのスイス・イタリア語音楽大学では音楽演奏の修士課程を修了。その後、エマニュエル・パユ、サー・ジェームズ・ゴールウェイ、パトリック・ガロワ、ジャン=クロード・ジェラール、アンドレア・マンコ、ジャック・ゾーン、フィリップ・ベルノルドなどのマスタークラスや上級コースを受講。
ルガーノで開催された国際コレギウム・ムジクム・コンクールで特別賞を受賞し、ボンで開催された国際コンクールで優勝してベートーヴェンハウスでコンサートを行い、さらに2021年6月1日にはモスクワ国際音楽コンクールの管楽器部門で優勝。 以後、ヨーロッパを中心にアメリカなどでも演奏。
CDは、Brilliant Classicsなどから発売。

【曲目】
ジョルジュ・ミゴ[1891-1976]
ギターのための作品全集
CD1
「クロード・ドビュッシーへのオマージュのために」 (1924) (手稿譜からの新版)  11'27
1. I. 前奏曲 4'40
2. II. パストラーレ 3'55
3. III. 後奏曲 2'52

ヴァレリオ・チェレンターノ(ギター)

ギター・ソナタ(1960)  18'18
4. I. 前奏曲 4'43
5. II. アラント(溌溂と) 4'48
6. III. アンダンテ・グラーヴェ 3'02
7. IV. フィナーレ 5'45

ヴァレリオ・チェレンターノ(ギター)

「ピエール・ムサリー«喜びと不安»による3つの歌」 (1969) (声とギターのための)  12'49
8. I. 「踊りの歌」 5'19
9. II. 「覚えやすい歌」 3'57
10. III. 「ロンド」 3'33

原璃菜子(ソプラノ)
ヴァレリオ・チェレンターノ(ギター)

【録音】
2022年7月27日、11月2~4日、イタリア、トリエステ、517 サン・ヴィート、スタジオ・ダルテ

CD2
「2台のギターのための前奏曲集」 (1961)  06'45
1. I. 「グラシエラ・ポンポニオの名にかけて」 2'41
2. II. 「ホルヘ・マルティネス・サラテの名にかけて」 4'01

ヴァレリオ・チェレンターノ(ギター)
ニコラ・モンテッラ(第2ギター)

2台のギターのためのソナタ (1962)  28'05
3. I. 前奏曲 6'29
4. II. まるで2人の踊りのように 8'05
5. III. アンダンテ 5'44
6. IV. フィナーレ 7'47

ヴァレリオ・チェレンターノ(ギター)
ニコラ・モンテッラ(第2ギター)

フルートとギターのためのソナタ (1965)  19'22
7. I. 前奏曲 5'44
8. II. グラーヴェ 5'37
9. III. 終結 8'01
【演奏】
フランコ・アスコレーゼ(フルート)
ヴァレリオ・チェレンターノ(ギター)
【録音】
2022年12月27日、2023年3月2日、イタリア、サレルノ、ノチェラ・スペリオーレ、INLレコード・スタジオ

品番:96855
ユトレヒトのドーム教会のオルガンで聴くロ短調ソナタほか

フランツ・リスト:ピアノ作品オルガン編曲集
ディーデリク・ブランケステイン(オルガン)


リストは若い頃からオルガン演奏にも精力的に取り組んでおり、オリジナルのオルガン曲だけでなく、自作や当時の人気曲の編曲も大量におこなって教会でも多くの人にアピールしていました。
このアルバムはリストのピアノ曲をオルガン編曲したもので、ロ短調ソナタをメインに、マリアの婚礼に想を得た「結婚」、道ならぬ恋への理解を示したワイマール大公妃への感謝の印として大公妃の旋律を用いた「慰め」、そして、ワーグナーの死の予感の中で書き上げた「悲しみのゴンドラ」の計4曲を収録。
使用されたオルガンはリストの弟子が弾いたことがあり、リストもその音を聴いていた可能性があるユトレヒトにあるドーム教会のベーツ・オルガンで、ピッチはリスト時代に提唱された「a1=435Hz」が適用されています。
演奏のディーデリク・ブランケステインは、オルガンと神学を修め、ユトレヒトのルーテル教会でカントル兼オルガニストを務める人物。ロ短調ソナタと「悲しみのゴンドラ」の編曲もブランケステインがおこなっています。
演奏者情報

ディーデリク・ブランケステイン(オルガン)
1996年生まれ。アムステルダムの自由大学とプロテスタント神学大学で神学を修め、アムステルダム音楽院ではオルガンを学んで修士号を取得。その後、ユトレヒトでプロの音楽家のための合唱指揮の応用コースを受講し、ピアノ、通奏低音、即興演奏、クラヴィコードの指導も受けたのち、数々のオルガン・コンクールで受賞。
教会オルガニスト、コンサート・オルガニスト、合唱指揮者、教育者などとして活動。教会音楽家としては、ナイケルクのフローテ教会と、アーメルスフォールトのフォンテイン教会で演奏し、2022年10月には、ユトレヒトのルーテル教会カントル兼オルガニストに就任。
2022年にはリストのピアノ・ソナタ ロ短調のオルガン編曲を出版し、新たな領域に踏み出しています。
CDは、Brilliant Classicsなどから発売。

【曲目】
フランツ・リスト[1811–1886]
ピアノ作品オルガン編曲集

1.「巡礼の年」第2年~「結婚」 S.161/1 (編曲:エドウィン・ヘンリー・ルメア) 8'28
2.「慰め」変ニ長調 S.172/4 (編曲:アレクサンダー・ヴィルヘルム・ゴットシャルク) 4'03
3. ピアノ・ソナタ ロ短調 S.178 (編曲:ブランケステイン) 35'15
4.「悲しみのゴンドラ」 S.200/2 (編曲:ブランケステイン) 9'20
【演奏】
ディーデリク・ブランケステイン(オルガン)
使用楽器:ベーツ・オルガン
【録音】
2022年11月24、25、29日、オランダ、ユトレヒト、ドーム教会

品番:96771
ブランシェ・モデルで聴くルイ王朝の典雅な響き

ピエール・トマ・デュフォー:クラヴサン曲集
フェルナンド・デ・ルーカ(チェンバロ)


ルイ15世とルイ16世の治世の時代に活動した教会オルガニストのピエール・トマ・デュフォーは、1721年頃に生まれ、フランス革命勃発の3年前の1786年12月30日にパリで亡くなっています。デュフォーの生涯についてはほとんどわかっておらず、作品もこの1770年に出版されたクラヴサン(チェンバロ)曲集が唯一現存するのみです。
収録作品は、クープランやラモーの伝統に属する名前付き商品のほか、イタリア風なソロ協奏曲も2曲含まれ、最後は教会の鐘を模した壮大な「カリヨン」で締めくくられます。
演奏は知られざる作品の紹介に熱心に取り組むイタリアのチェンバロ奏者、フェルナンド・デ・ルーカ。ルイ王朝時代の音楽ということで、ブランシェ・モデルを使用し、典雅で美しいサウンドを聴かせます。
演奏者情報
フェルナンド・デ・ルーカ (チェンバロ)
1961年、ローマで誕生。9歳の時にはすでにバロックのイディオムで作曲をおこなっていたというデ・ルーカは、14歳でローマ・サンタ・チェチーリア音楽院に入学し、オルガンとピアノなどを勉強。続いて、ヴァティカンのシスティーナ礼拝堂のマエストロ・ディ・カペラであるドメニコ・バルトルッチに弟子入りして宗教音楽と対位法、即興演奏、作曲を学び、1992年にはチェンバロをパオラ・ベルナルディに師事。
その間、1989年には、17世紀後半から18世紀初頭のイタリア音楽を専門とする音楽アンサンブル「Et in Arcadia Ego」を設立するなど、ソリスト、アンサンブル奏者として活動し、最近ではバロック風の衣装で演奏したりもしています。
CDは、Brilliant Classics、Uraniaなどから発売。

【曲目】
ピエール・トマ・デュフォー [c.1721-1786]
クラヴサン曲集 (作曲:パリ 1750年頃、出版:1772年)
CD1
1.  プレリュード  3'53
2.  アルマンド  4'23
3.  合唱のアリア  3'40
4.  老人  2'39
5.  メヌエット [I] 1'28
6.  ミュゼット 1'46
7.  バディーヌ 1'18
8.  サラバンド 4'07
9.  クーラント 2'46
10.  鍛冶屋  5'41
11.  ジーグ [I] 2'52
12.  鳩  4'36
13.  ジーグ[Ⅱ] 2'33
14.  メヌエット [II] 4'44
15.  小アリエッテ  2'14
16.  メヌエット [III] 1'50
17.  威風堂々  3'58
18.  小サラバンド 5'52
19.  メヌエット [IV] 4'17
20.  メヌエット 第1番 [V] 1'08
21.  イタリア人 3'05
22.  マルシェ 2'30
23.  メヌエット 第2番 [VI] 2'24
CD2
1.  凱旋 5'28
2.  ラ・メロデューズ 5'53
3.  アルマンド 5'52
4.  ジーグ ― 狩り組曲 4'08
5.  スキタイ人 4'34
6.  悲歌 4'14
7.  水夫の歌 5'10
8.  メヌエット [VII] 2'09
9.  ラ・シンシア 3'36
協奏曲 変ロ長調  13'50
10. アレグロ 4'10
11. アンダンテ・モルト 7'00
12. ジーグ、プレスト 2'40
協奏曲 変ホ長調  10'27
13. アレグロ 5'13
14. アリア 2'54
15. プレスト 2'20

16.  カリヨン 7'15
【演奏】
フェルナンド・デ・ルーカ(チェンバロ)
使用楽器:ブランシェ・モデル(1754)/C. カポーニ製作(1985)
【録音】
2015年5~7月、イタリア、ローマ、モンテコンパトリ、パラッツォ・アンニバルデスキ

品番:95584
音数の多い豪華なチェンバロ・サウンドを堪能

C.P.E.バッハ:チェンバロ協奏曲集 Wq43の2台チェンバロ用編曲
クラウディオ・アストローニオ&ステーファノ・モラルディ


1768年、カール・フィリップ・エマヌエル・バッハは、自分の名付け親でもあるゲオルク・フィリップ・テレマンの後任として仕事をするために、30年間暮らしたプロイセンを去り、自由ハンザ都市ハンブルクに移り住んでいます。ハンブルクでは、カントルや指揮者、チェンバロ奏者として活躍する一方、作曲にも熱心に取り組み、楽譜の出版も積極的におこなってヨーロッパ中にその名を知られることとなります。「チェンバロ協奏曲集」Wq43は、ハンブルク生活3年目の1771年に書かれたもので、1772年に出版。1778年頃に、ドレスデンのヨハン・ゴットリープ・ハウスシュタットラーによって、2台チェンバロ用に編曲。音数の多さが心地よい豪華なチェンバロ曲集として楽しめます。演奏の2人は、共に指揮者としても活躍するイタリアのチェンバロ奏者です。  
演奏者情報
クラウディオ・アストローニオ(チェンバロ)
チェンバロ奏者、オルガン奏者、指揮者として活動。古楽器アンサンブル「ハルモニチェス・ムンディ」を指揮しているほか、オペラも指揮。ヨーロッパ、アメリカ、日本、カナダの最も有名なフェスティバルで定期的に出演し、ヨーロッパ、アメリカ、日本でマスタークラスも開催。現在はトラーパニのA.スコントリーノ音楽院でチェンバロと室内楽を教えています。
CDは、Brilliant Classics、Stradivarius、REKON、Velut Luna、INSTITUCION、Amadeusなどから発売。
ステーファノ・モラルディ(チェンバロ)
1970年にイタリアのクレモナで誕生。コモ音楽院とピアチェンツァ大学でオルガンとハープシコードを学び、オリヴィエ・メシアンの「主の降誕」に関する論文によって優秀な成績を収め、クレモナ大学で音楽学の学位を取得。1996年から1999年にかけてはウィーン音楽大学でミヒャエル・ラドゥレスクに師事。
1995年、ウーディネのパジアン・ディ・プラート国際オルガン・コンクールで優勝し、ヴィテルボの全国コンクールでも優勝。
その後、ソリスト、室内楽奏者として活動し、イタリアの主要な音楽祭のほか、ヨーロッパ諸国と南北アメリカ、日本でも演奏し、2005年からは自身が設立に関わったアンサンブル「ヴィルトゥオーゼ・デッレ・ムーゼ」と「アカデミア・バロッカ・イタリアーナ」の指揮も開始。
教育者としては、ルガーノのスイス・イタリア語音楽大学でオルガン、チェンバロ、室内楽を教えるほか、スイス、ハンガリー、イタリア、ドイツ、スペイン、日本、アメリカでバロック音楽に関するマスタークラスとカンファレンスを開催。
CDは、Brilliant Classics、Christophorus、Tactus、Divoxなどから発売。

【曲目】
カール・フィリップ・エマヌエル・バッハ[1714-1788]
「6つの協奏曲」 Wq43 (1772) (ヨハン・ゴットリープ・ハウスシュタットラーによる1778年頃の2台チェンバロ用編曲)
CD1
協奏曲第1番 ヘ長調 Wq43/1
1. I. Allegro molto 7'09
2. II. Andante 4'30
3. III. Prestissimo 5'35

協奏曲第2番 ニ長調 Wq43/2
4. I. Allegro di molto (Andante, Allegro di molto Andante, Allegro di molto) 9'25
5. II. Andante 6'36
6. III. Allegretto 6'19

協奏曲第3番 変ホ長調 Wq43/3
7. I. Allegro 8'08
8. II. Larghetto 3'41
9. III. Presto 5'09

CD2
協奏曲第4番 ハ短調 Wq43/4
1. I. Allegro assai 4'12
2. II. Poco Adagio 2'11
3. III. Tempo di Minuetto 3'30
4. IV. Allegro assai 5'31

協奏曲第5番 ト長調 Wq43/5
5. I. Adagio (Presto) 6'33
6. II. Adagio 2'24
7. III. Allegro 5'32

協奏曲第6番 ハ長調 Wq43/6
8. I. Allegro di molto 8'27
9. II. Larghetto 3'51
10. III. Allegro 7'27
【演奏】
クラウディオ・アストローニオ(チェンバロ)
ステファノ・モラルディ(チェンバロ)
【録音】
 2021年9月13~17日、マントヴァ、聖バルバラ大聖堂

品番:96191
モンテヴェルディ時代のクレモナの作曲家による器楽作品集

コッラディーニ:標題付きカンツォンとソナタ集
フェデリコ・デル・ソルド指揮アンサンブル・イル・ナルヴァロ


ニコロ・コッラディーニはモンテヴェルディの18年後にクレモナに生まれ、生涯のほとんどを生地を拠点に過ごしたと考えられている作曲家。マドリガルやモテットだけでなく、当時先端のスコア形式の記譜で器楽曲を書いたりしており、このアルバムでは、それらの中から、1624年にヴェネツィアで出版された標題付きの器楽曲集「カンツォンとソナタ集」をとりあげています。標題は当時コッラディーニと関わりのあった一族や著名な人物の姓にちなんだものです。
演奏は、バロック・ヴァイオリン×2、ヴィオラ・ダ・ガンバ×2、コルネット×2、リコーダー×2、アーチリュート(テオルボ)、オルガン、チェンバロというアンサンブルでおこなわれています。指揮とチェンバロ、オルガンは、音楽学者でもあるフェデリコ・デル・ソルド。
作曲者情報
ニコロ・コッラディーニ
クレモナの音楽家
クレモナ大聖堂のオルガニストで作曲家のニコロ・コッラディーニは、1585年、18歳のモンテヴェルディが暮らすクレモナに生まれ、1646年に亡くなるまでの61年の生涯のほとんどを同地で過ごしたと考えられています。
教会オルガニスト
モンテヴェルディの時にはクレモナに音楽家の良い仕事に空きが無く、マントヴァで働くことになりましたが、宮廷があまり好きではなかったモンテヴェルディはクレモナの実家によく里帰りしてもいました。
コッラディーニの場合は、恩師でオルガニストのオモボーノ・モルソリーノが1611年7月15日に亡くなったため、26歳でクレモナのサン・ピエトロ教会のオルガニストになっています。
そしてその年、クレモナ大聖堂で毎週土曜日と聖母マリアの祝日に演奏されていた「聖母連祷」の伴奏についてもモルソリーノの後任としてコッラディーニが任されることになります。
コッラディーニの作品
コッラディーニは、1615年に「4声のリチェルカーレ」、1620年に「5声と8声のマドリガル集とヴィオールのシンフォニア」、1624年に「モテットとコンチェルト集」などをヴェネツィアなどで出版しており、スコア形式で書かれた4段楽譜を用いた器楽作品等、当時の先端を示してもいました。
クレモナ大聖堂のオルガニスト
1635年、長年に渡って「聖母の連祷」の伴奏をおこなってきたコッラディーニは、クレモナ大聖堂のオルガニストに任命されます。
クレモナ大聖堂での仕事に加え、作品出版を多くおこなっていたことからコッラディーニの信用度も上がり、クレモナの貴族など有力者が集まる協会「アカデミア・デリ・アニモージ」の音楽担当も任され、さらに市の文化機関の責任者にも任命されて、1646年8月7日に亡くなるまで名誉の時を過ごしています。
演奏者情報
フェデリコ・デル・ソルド (オルガン、チェンバロ、指揮)
1961年、ローマで誕生。ピアノ、オルガン、作曲、教会音楽、合唱指揮のディプロマを取得。
オルガニスト、通奏低音奏者として演奏活動をおこなっており、イタリアの重要な団体での演奏経験は多数。また、チェコ、ドイツ、スペイン、フランス、スペイン、イギリス、スイス、デンマーク、ポーランド、アメリカ、ベルギー、ポルオガルなど海外でも演奏。
バロック音楽のレパートリーに関する社会科学と言語学の研究により、多数の評論や学術論文も発表。
教育者としては、サンタ・チェチーリア音楽院、ローマ・トレ大学、ラ・サピエンツァ大学、ローマ教皇庁宗教音楽研究所、トマス・ルイス・デ・ヴィクトリア校、チッタ・デッラ・ピエヴェの古代音楽解釈コースなどで教えたほか、メキシコのモレリア聖堂音楽院、セラヤ音楽院、スペインのラス・パルマス・デ・グラン・カナリア高等音楽院、ドイツのランゲナウ音楽院などでも活動。
CDは、Brilliant Classics、Pentaphon、Camerata、Fonit Cetra、Melos antiqua。Fons Musicaeなどから発売。
アンサンブル・イル・ナルヴァロ
フェデリコ・デル・ソルドによって設立された古楽器アンサンブル。メンバーの多くはソリストとして活躍し、いくつものアルバムを録音してもいます。

【曲目】
ニコロ・コッラディーニ [1585-1646]
カンツォンとソナタ(ヴェネツィア 1624)
1. 第1のカンツォン「ラ・パラヴィチーナ」 4'12
2. 第2カンツォン「ラ・サルティラーナ」 4'19
3. 第3のカンツォン「ラルジェンタ」 4'57
4. 第4のカンツォン「ラ・スフォルツァ」 4'06
5. 第5のカンツォン「ラ・ヴィスコンタ」 3'13
6. 第6のカンツォン「ラ・シンコパータ」 4'29
7. 第7のカンツォン「ラ・ビッザーラ」 5'55
8. 第8のカンツォン「ラ・トレッチャ」 5'35
9. 第9のカンツォン「ラ・ペッサ」 2'53
10. 第10のカンツォン「ラ・タヴェルナ」 2'53
11. 4声のソナタ「ラ・ソラーニャ」 5'40
12. 3声のソナタ「ラ・マルチャ」 3'13
13. 2声のソナタ「ラ・スフロンダータ」 3'38
14. 2声のソナタ「ラ・ゴルフェランマ」 3'23
【演奏】
アンサンブル・イル・ナルヴァロ
バロック・ヴァイオリン:ヴァレリオ・ロジート(楽器:マティアス・メナントー、ローマ、2022)
バロック・ヴァイオリン:パオロ・ペローネ(楽器:作者不詳、北イタリア、18世紀末)
ヴィオラ・ダ・ガンバ:イレーネ・カラバ(楽器:ヴァレンティーナ・モンタヌッチ、ピアチェンツァ2019)
ヴィオラ・ダ・ガンバ:アンドレア・ラッタルーロ(楽器:ジュディス・クラフト、パリ2010)
コルネット:ダヴィッド・ブルッティ(楽器:マシュー・ジェネジョン、モントリオール2017)
コルネット:アンドレア・インギシアーノ(楽器:アンドレア・インギシアーノ、シエナ2020)
アーチリュート(テオルボ):ディエゴ・レヴェーリ(楽器:マッテオ・バルディネッリ、アッシジ2016)
リコーダー:ロメオ・チュッファ(楽器:フランチェスコ・リヴィルギ、オルテ2005、2001)
リコーダー:カロリーナ・パーチェ(楽器:フランチェスコ・リヴィルギ、オルテ2005、2001)
チェンバロ:フェデリコ・デル・ソルド(楽器:ロベルト・マリオーニ、マリーナ・ディ・ピエトラサンタ 2020)
オルガン:フェデリコ・デル・ソルド(楽器:マストロ・パオロ・ピエトロ・ダ・モンテファルコ、トレヴィ・イン・ウンブリア 1509年)
指揮:フェデリコ・デル・ソルド
【録音】
2022年9月、イタリア、ローマ、ポンティフィチオ・ムジカ・サクラ研究所、2022年11月、イタリア、トレヴィ、聖フランチェスコ博物館

品番:96591
ヘッセン文化財団からの助成金により実現した研究・演奏プロジェクト

ドゥセク:ヴァイオリン・ソナタ集 第3集
ユリア・フーバー(ヴァイオリン)、ミリアム・アルトマン(フォルテピアノ)


- ドゥセクのヴァイオリン・ソナタ全集録音の第 3 巻。 2 つのソナタ Op.69 と初期のソナタ Op.4 を収録。
1760年、モーツァルトの4年後にオーストリア大公国ボヘミアのチャスラウに生まれ、1812年にフランスのサン=ジェルマン=アン=レーで52歳で亡くなったドゥセクは、ハイドンも絶賛した作曲家ド。女帝エカチェリーナやマリー・アントワネット、ルイ・フェルディナント王子との交流や、ブロードウッドのピアノ開発話のほか、数多くの浮名でも知られたまさに波乱万丈の生涯をおくった人物。
ドゥセクは38曲に及ぶヴァイオリン・ソナタを作曲。古典派後期なので鍵盤楽器が主役ですが、ヴァイオリン・パートは対等に近い関係にあります。
演奏は古楽器のスペシャリストによっておこなわれており、ヴァイオリンがユリア・フーバー、フォルテピアノがミリアム・アルトマンの担当。2人はフランクフルトでの学生時代からの交流で、細部まで息の合った演奏を聴かせます。
使用したフォルテピアノは、ウィーンのローゼンベルガー1795年モデルを、大御所デレク・アドラムが製作したもので、実に良い音がします。
演奏者情報

ユリア・フーバー(ヴァイオリン)
フランクフルトでヴァルター・フォルヒャートに師事した後、ルクセンブルク・フィルハーモニー管弦楽団に入団。楽員活動と並行してメアリー・ユーティガーにバロック・ヴァイオリンを師事。1997年にアムステルダムのロカテッリ国際コンクールで入賞し、2000年には古楽ヴァイオリニストに転身。以来、室内楽奏者としての幅広い活動に加えて、リンツのオルフェオ・バロックオーケストラ、ノイエ・デュッセルドルファー・ホフムジーク、ラ・スタジョーネ・フランクフルトのコンサートミストレスおよび首席ヴァイオリニストとして活動。
CDは、Brilliant Classics、CPO、ARCHIV、MD+G、Coviello Classics、Phoenix Edition、New Classical Adventure、DHMなどから発売。

ミリアム・アルトマン(ピアノ)
フランクフルトでピアノをベルンハルト・ヴェッツに師事し、大学院でフォルテピアノとチェンバロをハラルト・ヘーレン、ザビーネ・バウアーに師事。ラース=ウルリク・モーテンセン、イェスパー・クリステンセン、アンドレアス・シュタイアーらのマスタークラスで研鑽を積み、音楽史の学位も取得。
教育活動に加えて、ヴィアッジョ・ムジカル、アリアドネ・プロジェクト・アンサンブル、カンマーフィルハーモニー・ライン・マインやコンチェルト・クラシコ・フランクフルトなどのさまざまな団体とコンサートに出演するほか、トリオ・フォルテピアノでも活動。
CDは、Brilliant Classicsなどから発売。

【曲目】
ヨハン・ラディスラウス・ドゥセク[1760-1812]

ヴァイオリン・ソナタ ロ長調 Op.69-1 CrawD 240
Edition: Sieber, Paris
1. I. Molto Allegro con fuoco 9'24
2. II. Les Soupirs, Adagio cantabile 4'24
3. III. Rondo. Allegretto non troppo 6'34

ヴァイオリン・ソナタ ト長調 Op.69-2 CrawD 241
Edition: Sieber, Paris
4. I. Allegro espressivo 10'41
5. II. Rondo. Andantino con moto. allegro 9'29

ヴァイオリン・ソナタ ヘ短調 Op.4-3 CrawD 39
Edition: Louis, Md de Musique, Paris
6. I. L'Amante disperato. Poco Presto 11'09
7. II. Tempo di Minuetto . Trio 3'40
【演奏】
ユリア・フーバー(ヴァイオリン)
ミリアム・アルトマン(フォルテピアノ)
【録音】
2022年3月3~5日、シュトゥットガルト ヴァイリムドルフ、ヴォルフブッシュ全公会堂

カテゴリ : ニューリリース

掲載: 2023年12月05日 00:00