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パワー・ビッグズ『ヨーロッパの歴史的オルガン』(6枚組)~LP時代の名盤が35年ぶりに復活!

ビッグズ

20世紀後半のピリオド楽器復興の先駆者にして、オルガンという楽器の魅力を世界中に振りまいた名奏者ビッグズの代表的なアルバム「ヨーロッパの歴史的オルガン」が35年ぶりに復活。6CDボックス仕様で発売。

 エドワード・ジョージ・パワー・ビッグズ(1906-1977)は、イギリス、エセックス州ウェストクリフ・オン・シーで生まれました。ビッグズはロンドンの王立音楽院で、G.D.カニンガムに師事。1930年にアメリカに移住し、1932 年にマサチューセッツ州ケンブリッジのクライスト・チャーチに赴任し、そこで生涯を過ごしました。
 ビッグズは、古典的なパイプオルガンの名声を取り戻すことに多大な貢献をし、20世紀半ばのロマン派以前の作曲家のオルガン音楽の復活の最前線に立っていました。1954年のヨーロッパへの最初のコンサートツアーで、J.S.バッハ、スウェーリンク、ブクステフーデ、パッヘルベルの作品を、作曲家に関連した歴史的なオルガンで演奏し、録音しました。彼はそのような音楽はその時代を代表する楽器で演奏されるべきであり、その時代のオルガン音楽はその時代のスタイルとレジストレーションを可能な限り忠実に使用して演奏されるのが理想であると考えていました。したがって、特にヨーロッパのオルガン改革運動によるトラッカー(オルガンの内部を上に横に斜めに張り巡らされた鍵盤とパイプなどと連動させる板)によるオルガンの人気の高まりに見られるように、ヨーロッパのバロック楽器のスタイルでのオルガン構築を推進し、アメリカでのオルガンという楽器の人気復活に大きな推進力を与えました。
 当時のアメリカの名オルガニストのヴァージル・フォックス(ライヴァル・レーベルのRCAに録音)は、歴史的正確さに対するビッグズの主張を「オルガンを博物館の品に追いやっている」と主張し批判しましたが、多くの評者は「ビッグズの録音した音楽の革新的なアイデアと、録音したオルガンをさらに有名にした点で、大きな賞賛が与えられるべきである」と評されました。
 ビッグズは、日曜日の朝のCBS放送で番組を持ち、全米のリスナーに歴史的なパイプオルガンの音色とあらゆる時代のクラシック・オルガンのレパートリーを紹介し、一躍有名になりました。オリジナル志向の生涯にわたる探究の中で、オランダ、北ドイツ、イギリス、フランス、イタリア、スペイン、スイスの、ルネサンスとバロックの偉大なオルガン奏者兼作曲家たちが暮らし活動していた場所を訪れました。1961年から1970年にかけて、コロンビアは「ヨーロッパの歴史的オルガン」シリーズを録音するにあたってビックスに依頼し、バッハ、ブクステフーデ、クープラン、ダンスタブル、フレスコバルディ、アンドレア&ジョヴァンニ・ガブリエーリ、パーセル、ソレール、スウェーリンク、タリスなどの音楽を演奏しました。
 このソニークラシカルがCDとして再発売するこの野心的なプロジェクトのオリジナル・ライナーノーツで、ビッグズは「歴史の生命線に触れたような気がします。…ベートーヴェン時代のオーケストラも、バッハの時代の合唱団もすべてなくなってしまったが、偉大な音楽家が演奏した同じオルガンは今でも利用できるのです」と、書いています。
 またこれらの有名な録音がLPでリリースされたとき、グラモフォン誌の評論家は「パワー・ビッグズ氏の持つ熱意ゆえに、彼は理想的なオルガン奏者といえるだろう。たとえ批評がどれほど辛辣であっても、どんなオルガンにも手を向け、音楽を見事に仕上げられる。彼の演奏は実に見事なサウンドで録音されている」と評しています。
 このセットはCD初期の1988年に日本で00DC1003~6として4枚組にまとめられてCD化されていましたが、今回はオリジナルLPのカップリングを再現するため6枚組となり、日本国外・ワールドワイドの企画としては今回が初めてのCD化となります。しかもオリジナル・アナログ・マスターから新規リミックスおよび24bit/192kHzリマスターを実施し、サウンドがリフレッシュされています。
 今回のセットは定評あるソニークラシカルのオリジナル・アルバム・コレクション仕様で、米国初出盤のデザインを使用した紙ジャケットに封入され(CDレーベルも当時のLPのデザインを採用)、詳細な録音データを記した詳細なトラックリストを含むオールカラーの別冊解説書と共に、厚紙製クラムシェルボックスに収容されています。
収録内容
<CD1>
:《スイスの歴史的オルガン》
作者不詳:主に栄光がありますように(『ムシカ・エンキリアディス』より)
作者不詳:オリエンティス・パルティブス(アッシジの聖フランシスの時代の歌)
作者不詳:キリストに向かって歌え
作者不詳:聖マグヌスへの賛歌
レオニヌス:この日こそ(『ヴォルフェンビュッテル写本677』より)
ペロティヌス(ペロタン):モテット『この日こそ』よりHuic Main - Hec Dies - Deo confitemini ? Domino
作者不詳:エスタンピー(ロバーツブリッジ写本1360より)
ジョン・ダンスタブル:アジャンクールの歌
コンラート・パウマン:全ての意志をもって(ロッハイム歌曲集~『オルガン演奏の基礎』より)
ハンス・コッター:ヘ調のプレアムブルム
トマス・タリス:栄光は汝に、三位一体なる神よ
作者不詳:3つのヴァース(『テ・デウム』より)
ジョアン・アンブロジオ・ダルツァ:ヴェネツィア風パヴァーヌ(『リュートのためのタブラチュア集第4巻』より)
ヘンリー・パーセル:シャコンヌ ヘ長調
J.S.バッハ:こころよき喜びの声にて BWV.751
アンドレ・レゾン:パッサカリア ト短調
フランソワ・クープラン:トロフィー または 戦利品(キリエによるフーガ)
ルイ=ニコラ・クレランボー:組曲第1番~高い音と低い音のトランペット管で(『オルガンの書』より)
J.S.バッハ:ただ愛する神の摂理にまかす者 BWV.691
J.S.バッハ:前奏曲とフーガ ロ短調 BWV.544
[録音]1965年10月11-13, 19-21日、スイス
シオン・ノートルダム・ド・ヴァレール聖堂、
シッツベルク改革派教会、アルレスハイム大聖堂

<CD2>
:《スペインの歴史的オルガン》
アントニオ・ソレール:皇帝のファンファーレ
ジャン=フランソワ・ダンドリュー:狩猟ホルンとトランペットの二重奏
作者不詳:3つのファボルドネス
ラファエル・アングレス:アリア ニ短調
アントニオ・ソレール:鍵盤楽器のためのソナタ イ長調 『トランペットのソナタ』
カルロス・デ・セイシャス:ソナタ ト短調 と トッカータ ニ短調
フアン・バウティスタ・カバニリェス:バッターリャ 第1番『インペリアル』
ベルナルド・パスクィーニ:スペインのフォリアのアリアによるトッカータ第1番
作者不詳:3つのファボルドネス
作者不詳:フォーブルドン
ルイス・デ・ミラン:パヴァーヌ 第6番
アントニオ・バレンテ:ラ・ロマネスカ
アントニオ・バレンテ:イントルチャの踊り
[録音]1967年6月12-22日、スペイン、
トレド大聖堂、セゴビア大聖堂、サラマンカ大聖堂、マドリッド王宮礼拝堂

<CD3>
:《イタリアの歴史的オルガン》
ジローラモ・フレスコバルディ:ガリアルダ 第1-3番
ジローラモ・フレスコバルディ:戦いのカプリッチョ
カルロ・ジェズアルド:ヴェノーサ公のガリアルダ
ジョヴァンニ・マリア・トラバーチ:ガリアルダ 第2番 ニ短調
ジョヴァンニ・マリア・トラバーチ:ガリアルダ 第8番 ト長調
ジョヴァンニ・ガブリエーリ:第9旋法によるフーガ
ベルナルド・パスクィーニ:フォリアによる変奏曲
ベネデット・マルチェッロ:詩編19(18)番「神は天の栄光に語り」(『詩的・音楽的霊感』より)
ドメニコ・ツィポーリ:オルガンとチェンバロのためのソナタ集第1巻~第2,8,10,4,15番
アンドレーア・ガブリエーリ:カンツォーナ・アリオーソ
アドリアーノ・バンキエリ:『オルガン奏法』Op.25 第2番
ベルナルド・ストラーチェ:戦いのバッロ(『チェンバロ、オルガンのためのさまざまな作品集』より)
ジローラモ・ファンティーニ:Corrente detta dello Staccoli
[録音]1968年9月、イタリア
サン・ペトローニオ聖堂、ブレシア・サン・カルロ教会、
ルーゴ・カルミーノ教会、ベルガモ・サンタ・アンナ教会

<CD4>
:《フランスの歴史的オルガン》
フランソワ・クープラン:ファンファーレ、ロンドー「戦争の音」
フランソワ・クープラン:修道院のためのミサ曲 ~オフェルトリウム
ニコラ・アントワーヌ・ルベーグ:トランペットのバス
クロード=ベニーニュ・バルバトル:ヨセフは良き妻をめとりぬ
ルイ=ニコラ・クレランボー:グラン・ジュによるカプリス
ルイ・クープラン:シャコンヌ第26, 34, 121番
ルイ・クープラン:シャコンヌ ニ短調
ジャン=フランソワ・ダンドリュー:さあマリア、いっておくれ
ピエール・ダンドリュー:救い主イエス・キリストがマリアから生まれたとき
[録音]1968年5月27-29日、6月4-6日、フランス、マルムーティエ修道院、

<CD5>
:《英国の歴史的オルガン》
ジョン・ダンスタブル:アジャンクールの歌
ヒュー・アシュトン:ホーンパイプ
作者不詳:ラ・ミ・レに基づいて
作者不詳:リトルネッロ
ジョン・ダンスタブル:Composition on a Plainsong
トマス・タリス:栄光は汝に、三位一体なる神よ
トマス・タリス:この主の証聖者
クリストファー・タイ:Point
ウィリアム・バード:ジグ
ジョン・ダウランド:デンマーク王のガリヤルド
ヘンリー・パーセル:全音階のグラウンド
アントニー・ホルボーン:アルマンド
作者不詳:パッキントン卿のポンド
ジェレマイア・クラーク:アリア
ヘンデル:8つのアイルズフォード小品
ジョン・スタンリー:ヴォランタリー第5&6番
[録音]1970年5月、イギリス、
アドリントン・ホール、ウォリックシャー・セント・ジェームズ教会、
ベクスリー・ダンソン・ハウス教会

<CD6>
:《ドイツ・オランダの歴史的オルガン》
J.Sバッハ:いと高きところにいます神にのみ栄光あれ BWV.676
ゲルハルドゥス・スクロンクス:エコー風ファンタジア ト長調 & ヘ長調
ゲオルク・フィリップ・テレマン:アリア ハ短調
ヤン・ピーテルスゾーン・スウェーリンク:ファンタジア イ短調
ヤン・ピーテルスゾーン・スウェーリンク:エコー付きドリア調ファンタジア
ヤン・ピーテルスゾーン・スウェーリンク:エコー付きファンタジア イ短調
ディートリヒ・ブクステフーデ:シンフォニア・ファンファーレ(『あなたたち愛するキリスト者よ、喜べ』BuxWV51より)
ディートリヒ・ブクステフーデ:汝らキリスト者よ、こぞりて主をたたえよ BuxWV 202
コンラート・パウマン:全ての意志をもって(ロッハイム歌曲集~『オルガン演奏の基礎』より)
ペーテル・コルネ:クーラント
ヤン・クーツィール:イングリッシュホルンとオルガンのためのパルティータ Op.41-1*
[共演]レオ・ファン・デル・レク(イングリッシュホルン)*
[録音]1961年
ドイツ、リューネブルク聖ヨハニス教会
オランダ、アウトハウゼン改革派ヤコビ教会
オランダ、ズウォレ大教会(聖ミカエル教会)
ドイツ、クックスハーフェン聖ヤコビ長老教会
ドイツ、デデスドル・ラウレンティウス教会
オランダ、アルクマール大教会
オランダ、ブレダー・サクラメント教会

【演奏】
E・パワー・ビッグズ(オルガン)

カテゴリ : ニューリリース | タグ : ボックスセット(クラシック)

掲載: 2023年12月08日 12:00