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インタビュー

新山詩織×佐藤タイジ “ありったけの愛”

 

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[ interview ]

 今年4月にシングル“ゆれるユレル”でデビューを果たした現役女子高生、17歳のシンガー・ソングライター、新山詩織。赤裸々でリアルな感情を綴った歌詞とひたむきな歌声を大きな魅力としながら、同曲のカップリングではTHE GROOVERSを従えて、彼らの“現在地”を果敢にカバー。バンド・サウンドへの興味、ロックへの愛情を大胆に開陳──そんな彼女が、ニューシングル“Don't Cry”のカップリングで挑んだのは、THEATRE BROOK“ありったけの愛”。もちろん、今回もオリジネーターを従えてのカバーということで、作者である佐藤タイジを交えてのトーク・セッションをお届け!……という次第。



〈やってみろ〉って言われたのが、すごくうれしかった



―今回もまた驚きの顔合わせなんですが、共演はどういった流れで?

タイジ「お話をいただいて……17歳! なんだそれ? マジか! って。で、実際に会ってみて、良い子だな、一所懸命なんだな、っていうのが伝わってきてね。彼女だったら、と」

詩織「タイジさんの名前はずいぶん前から知ってて。フェスとかセッションとか、自分の好きなアーティストさんの名前がいっぱい並んでるなかに、タイジさんの名前もよく見かけていて。それで、どんな曲をやってるんだろう?どういうギターを弾いてるんだろう? って検索してみて、最初に出会ったのが“ありったけの愛”だったんです」

タイジ「17歳だから、この曲は新山が生まれる前の曲だよね。世代もぜんぜん違うから、普通だったら知らなくて当然なんだけど、新山がこの曲に出会って、こうやって一緒にやる機会ができたっていうことは、ロックが好きだってことなんだろうね。でまあ、セッションするってことになってさ、ちゃんと練習して来いって言ったらちゃんと練習して来るし、言われたこと以上のものを返してくるし、できる子……あんまり誉めちぎりたくはないけど(笑)……好きなんだろうね、ロックが。あとはまあ、最初に会った時から合うものがあったな。人間やから、馬が合う合わへん、波長が合う合わへんってあるけど、新山も俺もたまたま水瓶座で」

詩織「(笑)。」

タイジ「そこ大事なんだよ。俺の場合、マネージャーも水瓶座だし……そういうのあると思うんだよね。水瓶座なんだって知った時に、これは大丈夫だなって(笑)。そういうのない?」

詩織「ない……かなぁ」

タイジ「そっか(笑)。それは経験なのかな。40年ぐらい生きてるとわかってくるのかも」

詩織「A型とO型は相性がイイっていうのは聞きますけど」

タイジ「A型?」

詩織「はい」

タイジ「俺、O型」

詩織「!!」

タイジ「やっぱりね、そういうのも良かったんだよ」

―詩織さんのほうはどんな印象でした?

詩織「一緒に演奏させていただけるっていうことで、最初はすごく不安だったんです。それで〈もしできなさそうだったらサビだけ参加するような形でもいいですか? 〉って訊いたら、〈とにかく練習して来い! 〉って。それがすごくうれしかったんです。〈そうだな、仕方ないなぁ〉ではなく、〈やってみろ〉って……ちゃんとそういうふうに言われたことってなかったので、すごくうれしかった」

―期待をかけてくれたと。

詩織「だから、家でひたすら練習して。そしたらどんどん楽しくなって」

タイジ「筋は悪ぅないなと思ったからね。いっぱい練習して、人前でいっぱいやって、ずっと続けてたら、きっとええのんなるんちゃうかなって。なんてったって17歳だよ。俺も17歳ぐらいの頃から曲を書いてたけど、どこもCDなんて出してくれなかった。その点、新山は恵まれてるし、恵まれてるっていうことは認識してほしいから、ちゃんと練習もせなあかん。うん、ギターソロの練習とかしたほうがええな。その域まで行ってほしい。ギターソロを弾くシンガー・ソングライターで、女子で、可愛い。そんなんもう、相当ポイント高いよ。チョーキング一発決めるだけでもいいから」



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―THEATRE BROOKをカバーするってだけでも相当ポイント高いですけど。難しい曲ではありますし。

詩織「難しそうって思うよりも、演奏してみたいっていうほうが先でした。それで、実際にやるってなった時に、あまりやったことのないリズムだったので……でも、だんだん乗ってきたら、自然に、いつも通り自分らしく歌えたので。ライブでやったらもっと行けそうな気がします」

タイジ「シンコペーションとか16分音符に対して、ちゃんと解釈できてる人、70年代のR&Bとか身体に入っててちゃんと演奏できる人って、実はそんなにいないからね。そういうところを新山に注入していきたいと思ったし、それを受け入れるだけのキャパシティー、空き容量はあると思うんだよ。ボブ・マーリー、カーティス・メイフィールド、ストーンズ……ホンマにイイ音楽をいっぱい聴いてほしいし、それで新山が新しい曲を出していったら、同じぐらいの世代の連中は聴くだろうし、そうやって伝えていけるわけじゃん。そこはすごく大事」

―今回のカバーでTHEATRE BROOKに初めて触れる人もいるでしょうし。

タイジ「そうだね。だからさ、いっぱいギターの練習しような。ギターソロを弾けるようになろう。絶対それはやってほしい。(THE GROOVERSの藤井)一彦がやって俺がやって、それでギターソロを弾かないままキャリアを重ねていくのは許されない!(笑)。俺と一彦はなんやったんや? ってことになりかねない。もう、次の作品でさっそくやろう! 4 小節でいいから」

詩織「弾きたい……ですね」

タイジ「よし、やろう! 女子ってね、なぜかギターソロをあまりやらない。もうね、新山がやるかマドンナがやるか、どっちが先かって話だよ。マドンナもこないだのツアーではコードをバーンと弾くぐらいだったけど、そのうち絶対ソロ弾き出すから(笑)。俺はね、それより先に17歳の新山にやらせたいな。コピーでもギターソロ弾いたことない?」

詩織「ない……ですね」

タイジ「じゃあ、とりあえずディープ・パープルの“スモーク・オン・ザ・ウォーター”から。俺も最初にコピーしたソロがそれだから。やったら目立つぞぉ」

掲載: 2013年07月09日 18:00

ソース: 2013/7/10

TEXT:久保田泰平

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