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インタビュー

MONOEYES『A Mirage In The Sun』

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細美武士(Vo.&Gt.)、戸高賢史(Gt.)、Scott Murphy(Ba.&Cho.)、一瀬正和(Dr.)が集結したMONOEYESが、1stアルバム『A Mirage In The Sun』を完成させた。これは、彼らのファンのみならず、ロックシーンにとっても嬉しい出来事だ。何故なら今作は、「やっぱりロックバンドって最高!」って、心の底から思えるアルバムだから!

明日を照らすロックバンドの魅力を、今の時代に教えてくれる1stアルバム『A Mirage In The Sun』

MONOEYESは、元々はELLEGARDEN、the HIATUS、the LOW-ATUSの細美武士がソロの制作に突入したところから端を発する。これまで、様々な形態で音楽を突き詰めてきた細美。次は一体、どんな発明を見せてくれるのだろう? 全く予想がつかず、期待だけが高まっていった。そして、徐々に明らかになってきた実態……バ、バンド!? そう、細美が一人で作り始めた楽曲たちは、この3人のメンバーを求めていき、MONOEYESが誕生するに至ったのだ。彼が初めて<ソロ>と謳ってスタートしたこの活動が、どのような着地点に到達するのか、とても興味深かったのだが、結果的に<バンド>という形態に辿り着いたところに、人が好きで、スリリングなことが好きで、ロックバンドが好きな彼らしくてニンマリしてしまう。

しかも集結したのは、出自も国籍もバラバラな4人。まずはScott Murphy(Ba.&Cho.)。ALLiSTERでボーーカルとベースを務め、ワールドツアーなども行い、アメリカのポップパンクを牽引してきた。日本では、愛するJ-POPを流暢な日本語でカバーし、お茶の間で話題を呼んだこともある。細美とは、ELLEGARDENとALLiSTERで共演したことがあるくらい長い付き合いだ。そして一瀬正和(Dr.)。メロディックパンクの隆盛期から頭角を現し、テクニカル&メロディアスな3ピースバンドASPARAGUSでその名を大いに知られることとなる。LOW IQ 01、BACK DROP BOMB、木村カエラなど、様々なアーティストのバックを務めてきた、信頼して間違いないプレイヤーだ。the HIATUSの6人目のメンバーであり、細美と共に音を鳴らしてきた経験者である。最後に戸高賢史(Gt.)。ART-SCHOOLのメンバーとして頭角を現したが、男女ユニットRopesや、中尾憲太郎率いるCrypt Cityでも活動。バックをしっかり支えるだけではなく、出る時には出て、個性を思いきり発揮する、柔軟な表現力を持ったオルタナ・ギターの名手である。そんなバラバラ、しかも多忙なメンバーが、細美武士という人、そしてMONOEYESの楽曲に引き寄せられるようにして集まり、一つのロックバンドが生まれた。その流れからしてドラマティックである。

 まずは6月24日に『My Instant Song E.P.』をリリース。そしてこのたび、1stアルバム『A Mirage In The Sun』が完成した。EPの時点で「こんな細美武士を、こんなロックバンドを待っていた!」と思った人も多いかもしれないが、アルバムは、さらなる歓びと驚きに満ちている。メロディックパンクへの回帰――MONOEYESを語る時に、出てくることが多いキーワードだ。しかし、そんなスケールの狭い話を、今作は軽々と越えている。 単純な話、ツタツタ・ビートで貫かれた勢い一発のアルバムではない。重心が低く、歌心があり、絶妙なアンサンブルで成り立った楽曲の数々は、メロディックパンクだけに留まらず、ロックである。聴けばきっと、<ロックバンドっていいな!>とワクワク思えるはずだ。今の時代では珍しいほどのシンプルさ。ディープなことを歌っても、プレイヤビリティを発揮しても、実にさり気ない。でも、そこにこそ、ロックバンドの面白さが詰まっているような気がする。MONOEYESは、それを体現しているのではないだろうか。そして、ド派手な演出や企画がなくても、胸を高鳴らせ、明日を照らすロックバンドの魅力を、今の時代に教えてくれるのではないだろうか。そんな希望を抱いてしまうくらい、『A Mirage In The Sun』は輝いている。

ズシリと脳髄に響く“Cold Reaction”で幕を開け、きらめくリフが琴線を震わせる“Just A Little More Time”、日本語詞の爽快なミドルチューン“グラニート”、切ない歌詞とツービートに想いを馳せる“End Of The Story”、ポジティヴな疾走感に日本語詞がのった“明日公園で”、アナログの針のような音が混じった温かな“Wish It Was Showing Out”、そしてライブで聴くのが本当に楽しみな“Remember Me”で締め括られる全12曲。どれも、細美のソングライティングの根っこに閉まってあった才能が、このメンバーによって躍動しはじめたような、珠玉の楽曲ばかりだ。

どれも、細美のソングライティングの根っこに閉まってあった才能が、このメンバーによって躍動しはじめたような、珠玉の楽曲ばかりだ。リリース直後からはライブハウスを細かく廻るツアー、そしてフェス出演も控えている。フロアで分かち合って、より輝くようなアルバムなので、ぜひとも足を運んでみて欲しい。

■Album……『A Mirage In The Sun』 now on sale!!

■Song list

01. Cold Reaction

02. Like We’ve Never Lost

03. Just A Little More Time

04. My Instant Song

05. Run Run

06. グラニート

07. End Of The Story

08. Do I Have To Bleed Again

09. Get Me Down

10. 明日公園で

11. Wish It Was Snowing Out

12. Remember Me

■Live

8月31日(月)長野県 NAGANO CLUB JUNK BOX

9月2日(水)石川県 金沢EIGHT HALL

9月3日(木)新潟県 新潟LOTS

9月6日(日) 北海道 北見オニオンホール

9月8日(火)北海道 CASINO DRIVE

9月9日(水)北海道 札幌PENNY LANE24

9月30日(水)青森県 青森Quarter

10月1日(木)岩手県 Club Change WAVE

10月3日(土)岩手県 KLUB COUNTER ACTION MIYAKO

10月4日(日)宮城県 BLUE RESISTANCE

10月6日 (火)宮城県 Rensa

10月7日(水)茨城県 mito LIGHT HOUSE

10月8日(木)福島県 郡山HIP SHOT JAPAN

10月14日(水)静岡県 LiveHouse 浜松 窓枠

10月16日(金)愛知県 DIAMOND HALL

10月18日(日)京都府 KYOTO MUSE

10月20日(火)大阪府 BIGCAT

10月22日(木)岡山県 PEPPERLAND

10月23日(金)広島県 広島CLUB QUATTRO

10月25日(日)島根県 松江 AZTiC canova

10月26日(月)香川県 DIME

10月28日(水)福岡県 BEAT STATION

10月31日(土)大分県 T.O.P.S Bitts HALL

11月1日(日)宮崎県 MIYAZAKI WEATHERKING

11月5日(木)愛媛県 松山サロンキティ

11月6日(金)高知県 X-pt.

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記事内容:TOWER+ 2015/8/10号より掲載

カテゴリ : COVER ARTIST

掲載: 2015年08月10日 00:00

ソース: 2015/8/10

TEXT:高橋美穂