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US3

連載
NEW OPUSコラム
公開
2013/09/18   00:00
ソース
bounce 359号(2013年9月25日発行)
テキスト
文/池谷昌之


あの〈カンタループ〉から20年……



ハービー・ハンコックを鮮やかにヒップホップへ仕立て直した“Cantaloop(Flip Fantasia)”をはじめ、ブルー・ノートの音源を自由にサンプリングする権利を認められたユニットとして登場したアス3。その後の彼らは、そこから離れるように音楽的な幅を広げ、ライヴ・バンドとしての活動に重きを置いていった……が、アルバム・デビューから20年の時を経て、改めてこのたびの新作『The Third Way: Hand On The Torch Vol.2』でジャズとヒップホップの蜜月という原点回帰を果たした。ラッパー3名を従え、ディジー・ガレスピーやリー・モーガンらの古典をハウスやドラムンベースに再構築する様は、副題通り初作『Hand On The Torch』の続編と言うに相応しい。だが、サンプリングではなくほとんどを生演奏で構成し、プレイヤーとしての矜持も示す。そして、同時に登場した『Hand On The Torch』の20周年記念盤では、過去曲をトラップなどの当世ダンス・ミュージックとして蘇らせ、フレッシュなセンスも見せつけるのだ。彼らの成熟と現役感を同時に示す2作品と言えよう。



▼文中に登場した作品を紹介。
左から、アス3のニュー・アルバム『The Third Way: Hand On The Torch Vol. II』、93年作のデラックス盤『Hand On The Torch: 20th Anniversary Edition』(共にBlue Note/ユニバーサル)