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U-KISS JAPAN LIVE TOUR 2013~Inside of Me~ @ Zepp Tokyo(2013年8月26日)

連載
K-POP LOVERS!
公開
2013/09/27   19:00

 

 

今年は南米ツアーを成功させるなど、アジアから世界へとグループの活動の幅を広げるU-KISSがライヴ・ツアー〈U-KISS JAPAN LIVE TOUR 2013~Inside of Me~〉を開催。TOWER RECORDS ONLINEでは、8月26日の夜公演の模様をレポートします。

 

 

楽曲が持つ繊細な世界観を見事に表現し、まるで1本の映画を見ているかのようにドラマティックな展開で魅せたアルバム『Inside of Me』で、男らしく成熟した魅力を届けたU-KISS。アルバムと同様にセットリストにストーリーがあるという今回の全国ツアー〈U-KISS JAPAN LIVE TOUR 2013~Inside of Me~〉は、昨年春に開催した〈U-KISS 1st JAPAN LIVE TOUR 2012〉と同じく、ライヴ・ハウスのZeppをメインに行われたが、前回とは趣向の異なるものとなった。

 

 

ライヴのスタートまでステージと客席を遮っていた白幕は、開始とともに『Inside of Me』の世界へと一気に惹きこむための演出だったのだろう。幕が左右に瞬く間に剥がされ、オープニング・ムービーが流れはじめたとき、その先に起こることへの期待に胸が高鳴った人も多かったはず。徐々に進んでいく映像を見ていると、終盤で舞台後方のモニターの中央部分がせり出しメンバーが登場、手にしていた花を客席に投げ、オーディエンスのボルテージがグンと上がったところで、“ALONE”へ。〈孤独〉がテーマという“ALONE”の妖しげなイントロ、どんどんと力強さを増していくビートは、セットリストが持つストーリーの導入としては十分すぎるほどの破壊力を放っていた。続く“Forbidden Love”をよりしなやかでセクシーに表現したかと思えば、“Shut Up!!”は7人の息が合った群舞で力強さと男らしい姿をアピール。挨拶代わりにしては十分すぎるほど贅沢なダンス曲が続き、ライヴならではの〈Inside of Me〉の世界へと誘っていく。

 

 

ケビン、キソプ、ドンホ、AJによる“Play Back”では、後方のLEDモニターに映る光を自ら操っているような斬新な演出で観客を魅了。続く“PASSAGE”は、会場前方に投影された木漏れ日とフンとスヒョンのスウィートなヴォーカル、途中で現れるイライのラップも加わって、楽曲のなかに描かれた甘酸っぱい恋物語が見事に表現されていた。さらに、フン&スヒョンが歌う韓国語曲“痛みよりもっと痛い”は、先ほど“PASSAGE”とは対照的に、曲が進むとどんどんと切なさが増していく。アッパーな“Play Back”、甘いミディアム・チューンの“PASSAGE”、感情的なバラード“痛みよりもっと痛い”と、スピードを緩めていったところで、韓国最新曲“Standing Still”へ。7人がステージに再び集結し、楽曲がスタートすると、客席から大きな歓声とコールが沸き起こる。儚くも力強い楽曲にメンバーのヴォーカルと観客からの声援が重なり、独特の世界観を醸しだしていた。

 

 

中盤に設けられたMCでは、アルバム『Inside of Me』のなかでメンバーが好きな曲を紹介。スヒョンから「“Thousand Miles Away”以外で」とツッコミが入ったドンホは「“PASSAGE”。僕がちょっと悲しい感じの曲とかやわらかい感じのバラードが大好きなので、“Thousand Miles Away”ほどじゃないですが、“PASSAGE”もいいと思います」とコメント。イライは“Real Love”、キソプは“Dear My Friend”、フンはAJが参加してより完璧になったという“ALONE”をピックアップ。“One of You”が好きというケビンが「みなさんと楽しめる曲なので、歌いながらみなさんの笑顔がきれいです」と理由を話すと、イライがケビンのモノマネを披露して笑いを誘う場面も。AJは、“Thousand Miles Away”が大好き、ということを力説し、スヒョンはアルバムのタイトル曲である“Inside of Me”をそれぞれチョイス。しっかりと日本語で説明をしつつ、ところどころにツッコミを入れていくメンバー同士のやりとりに、観客からは大きな歓声が上がった。

 

 

「みなさんと離れているときも、僕達の心はいつも傍にいるってことを歌で伝えたいです」というケビンのコメントの通り、リスナーに寄り添うように優しく響いた“Distance…”、切なくも美しいメロディーが特徴の“Thousand Miles Away”で、会場は大人っぽく叙情的な雰囲気に。南米ツアーの映像を挟んで、赤と黒を基調とした衣装に身を包んだメンバーがひとりずつ登場し、キレのあるダンスを披露すると、オーディエンスの熱はさらにアップ。それぞれが個性を放つなか、ラストを飾ったキソプのしなやかで表現力豊かな動きがとても印象的だった。

 

 

7人が一堂に会しての“NEVERLAND”は、ステージを捉えた映像がそのままバックに映し出されるという、スケールと奥行きを感じる演出。この曲が持つ壮大さ、力強さがさらに増すようなド迫力のパフォーマンスに応える様に、ファンからの声援もより大きなものとなっていた。そして、日本デビュー曲の“Tick Tack”へ。パートによって変化するフォーメーションはもちろん、個々の細やかな動きも美しく、パワーアップしたU-KISSの〈いま〉がしっかりと感じられるステージは圧巻の一言。アルバムに収録されたヴァージョンとは異なるイントロでスタートした“One of You”では、「みんなで歌ってください! 一番大きい声でお願いします!」というコメントとコール&レスポンスの効果も相まって、7人の表情がさらにイキイキとしたものに。会場との一体感がさらに増したところで、続く “Dear My Friend”は、仲のよさそうなメンバー同士のやりとりに黄色い歓声が上がった。

 

 

“InterludeII ~Now and Forever~”が流れ、アルバムと同様ラストを飾ったのは“Inside of Me”。メンバーの後ろには、歌に込められたメッセージをさらにじっくりと伝えようとするかの如く、歌詞が次々と映し出される。ダンスでしっかりと魅せながらも、言葉の一つ一つを丁寧に届けていく姿が、アーティストとしてさらに進化したU-KISSの魅力が感じられるステージだった。

 

 

アンコール前は、ファンからの〈U-KISSコール〉にスタンバイ中のケビンがコールを重ね、掛け声を煽る。「いまメンバーたちはアンコールのために着替えています!」と音声で実況をするなど、暗転中の演出もユニーク。“Believe You”、“Man Man Ha Ni”とアッパー・チューンでラストまで駆け抜け、ファンと新たに盛り上がる曲としてタオルを使った振り付けも楽しい“The Only One”でこの日のライヴは締めくくられた。

 

 

「今回のアルバムはそれぞれの曲にテーマがあって、一つのストーリーになっていますという話をしていますが、今回のツアーもそれぞれの曲にテーマを決めて入れました。ドラマのようなストーリーがあります」というフンの言葉通り、アルバム曲の配置を少し変え、これまでに発表した楽曲をなかに組み込むことで、新たな物語を描き出した今回のツアー。ストーリー性の高いセットリストに加えて、1曲1曲に込められたテーマをより深める美しい演出の数々、格段にアップしたメンバーの表現力やパフォーマンス・スキルも相まって、アーティスト=表現者としてさらなる進化を遂げたU-KISSを感じることができる、素晴らしいライヴだった。

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