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カテゴリ : magazine 

掲載: 2008年02月21日 17:39

更新: 2008年02月21日 17:39

文/  intoxicate

2008年2月20日発行vol.72の訂正とお詫びです。

P.19で掲載させていただいた、南紫音さんのインタヴュー記事内で、
文中で紹介していただいた曲順がCDと違っております。
編集部の確認不足で、関係者の皆様にご迷惑おかけいたしましたことを
深くお詫び申し上げます。
原稿を書いていただいた、川田朔也さんには、再度原稿を書き直して
いただき、感謝申し上げます。新たな原稿は、こちらです。

新レーベルUCJジャパンよりデビュー!
南紫音
INTERVIEW&TEXT:
川田朔也(音楽ライター・仏語翻訳)

 このジャケットに騙されてはいけない。彼女はビジュアル系アーティストなぞではなく、世界を狙える大器である。それは耳馴染みよい名曲を並べず、いずれも本格的楽曲に取り組み、かつ高いクオリティの演奏を刻み込んだこのデビュー盤で確かめられる。

 まず冒頭を飾るのは「是非1曲は弾きたい」と思ったモーツアルトの中から、お気に入りのK.526だ。立て続けに今度は近代に飛ぶ。「ソナタに限らずとても好きですが、第1番は第1楽章の主題が、激しく始まる第4楽章にも出てきたり、楽章ごとではなく、全体的に完成されている」と語ったプロコフィエフの第1ソナタだ。そして尊敬する奏者としてハイフェッツ、オイストラフ、ジネット・ヌヴーにミシェル・オークレールの名前を挙げてくれた彼女は、尊敬するオイストラフが弾いたクライスラー版を聴いた上でなお、シューマンのオリジナル版を選んだ。お次は「ロン・ティボーで課題曲だった」第6を敢えて避け、「どの曲もすごく好きなので、どれも弾きたかったですね。2楽章のサラバンドで「ラソファミ」と続いている上に旋律が流れているあたりが最初気に入ったんですが、弾いてみると両端楽章もいいな、と思いました。第3楽章の中間部や最後の華やかさは、被献呈者であるクライスラー的ですよね」、と語ってくれたイザイの第4ソナタ。締めには「ハイフェッツの演奏が脳裏にこびりついている」というブラームス最初期の、シューマンらと合作したF.A.E.ソナタからのスケルツォを置いてみせ、鮮やかに古典派から近代までの幅広いのレパートリーを開陳している。

 使用楽器は、嘗てカンポリやF.P.ツィンマーマンの愛器で、現在は日本音楽財団が所有、昨年10月から今年3月まで彼女に貸与されている、ストラディヴァリウス・ドラゴネッティ。「低音が素晴らしい楽器です。先生も、一度こういう素晴らしい楽器を弾くと、自分の楽器(セラフィン)に戻ってもその音に近づけるように弾こうとするから、いい音が出せるようになるよ、と仰って下さいました」。

 録音に際しての発見も多かったそうだ。「テープ審査のために録音したとき、とても緊張した思い出があって、今回も緊張したんですが、ホールの響きの聴き方や、録音を実際にしてみるとどんなふうに聞こえるか、とか、自分がイメージした演奏の半分くらいしか音になっていなかったり、録音で聴くと不自然に聞こえたり、自分のクセもわかりました。ですから今は、家で弾いていてもそういうことを考えながら弾くようになり、ホールの響きの聴き方は大きく変わりましたから、とても勉強になりました」。

 今後は「ずっと普通科の高校に行っていたので、専門的な理論の勉強をしっかり日本でやりたい」、とのことで日本の音大に進学予定である。

 まだ弱冠18歳という若さながら、ボウイングも左手の指裁きも音の鳴りも見事。日本でさらなる研鑽を積んで海外に雄飛し、その名を轟かせる日を心待ちにしたい。

Photo

P.42のコラム「OCHA-NO-MA-LIFE」内で、アルバムタイトルが
間違っておりました。ツアー中にもかかわらず、原稿を送ってくださった
渡邊琢磨さま、本当に申し訳ございませんでした。
誤:「冷たい雨、明るい休息」 正:「冷たい夢、明るい休息」

Photo_2

今後、このようなことがないよう、気を引き締めてまいります。
申し訳ございませんでした。(佐々木)