人気DJライナー・トゥルービーがコンパイルしてジャーマン・ブラジリアン・ブームの先駆けとなった超有名コンピ・シリーズ 『Glucklich』（モノクロ写真のフォルクス･ワーゲンのジャケットでおなじみ！）。その第1集に収録されたことで世界的に知られることになったのがこのナマズです。彼らは79年に結成された4人組のバンドで、ギターリストのウェルネル・グースと、キーボーディストのヨアヒム・エッシィヒを中心としたヨーロピアン・フュージョン・ユニット。デビュー・アルバムとなる本作は81年にレコーディングされましたが、女性シンガー、レイチェル・グールドをゲストに迎えたことで、歴史的に評価される傑作となりました。特に前述の 『Glucklich』 にも収録された、 5曲目の「Anticipated Joy」、7曲目の 「Mystic Latin」の2曲と、オープニング・トラックの 「Vom Regenbogen」の3曲は究極といっても良い必殺のトラックです。レイチェルのスキャット・ヴォイスが存分にフィーチャーされた、素晴らしくダンサブルなブラジリアン・フュージョン・チューンに仕上がっています。この3曲を聴くだけでも十分に価値のある一枚といっていいでしょう。もちろん、他にも高い演奏力に裏打ちされたヨーロピアン・フュージョン・ナンバーが揃っていて、特にラテン・テイストの6曲目 「Movin' Seconds」 あたりは聴き物です。キティ・ウィンターとも並び称される幻の傑作アルバムが、満を持して世界初CD化です！

タワーレコード （2009/04/08）