どうしようもなく落ち込んだとき、一曲の歌や一本の映画に励まされたことがありますか?　ビートルズの音楽に励まされっぱなしの主人公サムをショーン・ペンが熱演し、豪華アーティストがビートルズのナンバーをカヴァーするというサントラも話題になった感動作「I am Sam」がDVDで登場。大切な一人娘を自分で育てる権利を得るために孤軍奮闘し、冷え切った人々の心を少しずつ開かせていく知的障害者のサム。そんな驚くほどピュアなキャラクターに、〈そんなヤツはおらん〉とツッこめないのは、大好きな歌や映画がいつもサムの心を励ましていて、その心のあり様がまさに万人共通だから。エイミー・マンやシェリル・クロウらが歌い継ぐビートルズの優しい歌世界、サムの内面に寄り添いながらも社会の複雑さを見失わないストーリー展開も、シビアな人間ドラマとお伽話の間を心地良くつないでくれます。〈ホワイト・アルバム〉ならぬ〈ホワイト・ボックス〉仕様の初回限定生産版には、豪華フォト・ブックレットや映像特典が満載。それにしても、ビートルズの歌ってどうしてこんなに心に響くのでしょうか。
bounce (C)中野聡子