Pleasure & Treasure完全ディスコグラフィー 1999~2008年

ALL TEXT BY タワーレコード ブラザー代表

1999

アルバム

Brotherhood

Brotherhood

1999年

10作目。前年で10周年を迎え、新たなフェーズへ挑む気概を叩き込んだかのワイルドで前のめりなサウンドが楽しめるが、①⑥⑦⑨⑩といったリフ・オリエンテッドなハードロックは勿論、④などメタルを思わせるヘヴィ・サウンドへの傾倒も感じられるのも特徴。本作は何と言っても、現在ではファンのみならず全ての人の心へ届けとばかりに歌われる名曲③の収録に尽きる。また、追われるような暮らしについ忘れそうになるが、家族や友達、仲間に囲まれてホッと出来る瞬間を切り取ったような⑤も良曲。②はMr. Bigのリズム隊2人をお迎えして再録した別ヴァージョンで、シングルと聴き比べ推奨。ラジオで5曲掛けるなら②①④⑥③。

シングル

ギリギリchop

ギリギリchop

1999年

26thシングル。①は、激しいリフとビートに乗る圧巻のシャウトで強烈なインパクトと共にハードロック・アクトとしての新たな声明を打ち放った1曲。"Brotherhood"ツアーでの歌唱も神懸っていました。②は、例えば職場から大切な仲間が新たな場所へと旅立ってしまう時などにいつも聴きたくなる名バラードで、SNSが無かったあの頃ならではの別れと絆の歌。オリジナル・スタジオ・アルバムには未収録。

映像

The true meaning of

The true meaning of "Brotherhood"?

1999年

『FILM RISKY』は『RISKY』を視覚的にも体感出来るクリップ集でしたが、本作は『Brotherhood』を制作からツアーまでトータルで追えるドキュメンタリー作品になっています。特に興味深いのはレコーディング等の制作過程で、歌詞やメロディへのハメ方など、完成版との違いが愉しめます。また勿論、SHOWCASEやIntermission、EXTRAまで含めた貴重なLIVE映像も必見です。

松本孝弘

THE CHANGING

THE CHANGING

1999年

3rdシングル。①は1995年の"BUZZ!!"で披露された"Don't ask me, baby"が原曲。『KNOCKIN'"T"AROUND』には別ヴァージョンで収録。②は『LIVE RIPPER』のエンディングで聴けたインスト曲の念願リリース。当時VHSから録音したカセット・テープを繰り返し聴き続けて来た耳にはクリア過ぎて少し戸惑いましたが、嬉しさが上回ったのは言うまでもありません。

KNOCKIN'“T”AROUND

KNOCKIN'"T"AROUND

1999年

松本さんのギターは勿論、ヴォーカルも堪能出来る3rdアルバム。当時のインタビューでも「先ずはやらないといけない状況に自分を追い込む」というようなことを語ってらしたのが印象的で、個人的にも本作の⑩が無かったら今の僕は無いと思います。②は"FIREBALL"、⑤は"SURVIVE"で披露された曲が元。"いてもうたるで"とかもいつか陽の目を見て欲しいですね…。ラジオで5曲掛けるなら①③②⑤⑩。

2000

アルバム

ELEVEN

ELEVEN

2000年

11作目。ゼロ年代の幕開けを飾る記念すべき第1作目は、オルタナティヴ・ロック、モダン・ヘヴィネスへの接近が顕著に窺えるサウンドが特徴で、取り分けザック・デ・ラ・ロッチャ風の歌唱が聴ける⑥や振り幅の大きい⑪のヴォーカル・アプローチは必聴。他にも、孤独に闘う全ての人にとっての応援歌⑨(英語詞によるデモ音源もクール)、2002年には英語ヴァージョン"DEVIL"も発表される⑩等も聴き所。シングルは④⑦⑧⑭と多めで、跳ねるようなリフが印象的な③と激ヘヴィな⑤で繊細な名曲④を挟んだり、人気バラード⑭をアグレッシヴな⑬の次に配置するなど、曲順もだいぶ攻めている。ラジオで5曲掛けるなら⑤②⑥⑫⑨。

シングル

今夜月の見える丘に

今夜月の見える丘に

2000年

27thシングル。①は美しいイントロ、スーッと身体に入って来るロマンティックな歌詞、Bメロからサビへの意外なリズム展開、キャッチーなメロディなど、大ヒットも納得の名バラード。②はデビュー・シングル曲の再録で、原曲をダンス・ミュージックとハードロックの0地点とするならば、ハードロック方面へと大きく舵を切ったテイクに仕上がっている。本ヴァージョンの起点となった前年のLIVE映像も必見です。

May

May

2000年

28thシングル。①はセンチメンタルな歌詞と、キメるべき所でガツンとロックするアレンジ、ギター・ソロ前のスクラッチなど、大島康祐さんならではの味付けも眩しい。何年か経ってもまだ引きずっちゃってる男性諸君にお薦め。(僕はしょっちゅう聴いちゃってますが…) ②はメタリックで歪んだヘヴィ・サウンドが超絶カッコイイ1曲で、一度で良いからLIVEで聴いてみたい。②はオリジナル・スタジオ・アルバム未収録。

juice

juice

2000年

29thシングル。①はブライアン・ティッシーによるヘヴィなドラムと分厚いギター・リフが牽引するハードなロック・ナンバーで、LIVE-GYMではコール&レスポンスが挟まれることも多い。となるとカップリングはミドルかバラードでバランスを取ることが多いですが、②もロックで攻め立てており、しかも久し振りに明石昌夫さんが編曲で参加していることでも話題に。②はオリジナル・スタジオ・アルバム未収録。

RING

RING

2000年

30thシングル。①は"juice"TOURで新曲として披露された曲で、高貴な日本庭園のように繊細で美しいサウンドとメロディ、後半畳み掛けるようなダイナミックなアレンジなど、B'zにしか生み出せないバラードだと思います。②は①とは打って変わったダークかつハードなナンバーで、「まだ愛があるのなら」と挑発するような言葉で締めるサビもパンチが効いている。②はオリジナル・スタジオ・アルバムには未収録。

ベスト・アルバム他

B'z The

B'z The "Mixture"

2000年

通称パール盤。ベスト・アルバムではないし、ただのコンピレーションでもない。正に「ミクスチャー」の名を冠するに相応しい内容。金盤、銀盤で選に漏れたカップリング曲やアルバム曲も紹介されている他、取り分けやはり再録①③④⑥⑦、リミックス②⑤⑨⑩⑪⑬と未発表曲⑯が本作の聴き所と言える。個人的には、確かな成長の跡が鮮やかに刻み込まれた③④⑥が聴けてとてもファン冥利でした。ラジオで5曲掛けるなら⑧⑫④③⑭。

映像

once upon a time in 横浜 〜B'z LIVE GYM'99

once upon a time in 横浜 〜B'z LIVE GYM'99 "Brotherhood"〜

2000年

アルバム『Brotherhood』を引っ提げて行われたツアーの模様を収録。冒頭の①②だけ観れば、バンドが最高の状態にあることが一発で判ります。曲順も非常に練られており、特に懐かしの⑥に続いての⑦⑧⑨の流れは今見ても秀逸。各々のソロ⑪⑫やジェフ・ベックの⑭をプレイしながらのメンバー紹介なども本作の見所です。特典映像として、"SURVIVE"TOURで演奏された"スイマーよ!!"も拝めます。

2001

シングル

ultra soul

ultra soul

2001年

31thシングル。シングルに3曲収められたのは本作が初。①は、ストイックなO.NO.REとの戦いが描かれたウルトラ代表曲で、アルバム『GREEN』ではギターやベースの異なる別ヴァージョンも楽しめる。因みにこの頃はまだ2コーラス終わりに「ハイ!」は無い。②は『SURVIVE』収録曲の新ヴァージョンで、歌詞も追加されている。③も②同様打ち込みによる独特のスピード感で高揚させるロック・チューン。

GOLD

GOLD

2001年

32thシングル。①は"ELEVEN"ツアーで披露された、神々しいメロディと荘厳なハーモニーに胸を焦がすバラード。個人的には母を想う時にとてもしっくり来る歌です。②は代表曲の別ヴァージョンですが、後にも先にも同様のアプローチで挑んだ曲は無く、珍しいケースと言える。③はガツンとダイナミックかつトリッキーなリズムとプレイ、スパイスの効いた歌詞が楽しめる。全てオリジナル・スタジオ・アルバムには未収録。

2002

アルバム

GREEN

GREEN

2002年

12作目。実験が多数配された前作とは対照的な、ピュアなメロディをメインに据えた胸焦がす1枚。特に、会わなくなってから少し時間の経ったふたりのラヴ・ソング③はゼロ年代屈指の隠れ名曲。他にも、中々距離を縮められないふたりの間に通り抜ける爽やかな風のような⑥、優しく繊細な⑧、B'zらしい美メロが光る壮大な⑨、フックの効いたサビがキャッチー過ぎる⑩、退廃的なダークさを湛える⑪など必聴。また本作のツアーではオープニングを飾った、鬱屈を打ち破るような闘志を秘めた⑫で終わる構成もスッキリとさせてくれる。個人的にもアナログも買っちゃったほどお気に入りです。シングルは②⑦。ラジオで5曲掛けるなら③⑥⑧⑨⑦。

シングル

熱き鼓動の果て

熱き鼓動の果て

2002年

33thシングル。①は強烈なヴォーカルで幕を開けつつ、皆で輪になって座りゆったり歌うような雰囲気から一変、激しいロック・チューンへ雪崩れ込むスリリングなアレンジが光る1曲。②はオルタナティヴなヘヴィ・グルーヴが引っ張るナンバーで、少し挟まれたラップも新鮮。③は②とは真逆の明るく軽やかなタッチと人懐っこく愛嬌のあるメロディが印象的なポップ・チューン。②③はオリジナル・スタジオ・アルバムには未収録。

ベスト・アルバム他

The Ballads 〜Love & B'z〜

The Ballads 〜Love & B'z〜

2002年

B'zはロックだけでなく、バラードも良い曲を沢山書いている。ファンなら周知のその事実を、他の人にも判り易く伝えられるコンピレーションが本作。選曲だけでなく曲順も練られており、僕的には「⑭で一旦本編終了で、⑮以降はアンコール。」というイメージで聴くとよりしっくり来ると思っています。③のギター・ソロがシングルともアルバムとも異なるのと、⑮の後少し待つと軽やかなヴァージョンの①が聴ける所もポイント。

映像

a BEAUTIFUL REEL. B'z LIVE-GYM 2002 GREEN 〜GO★FIGHT★WIN〜

a BEAUTIFUL REEL. B'z LIVE-GYM 2002 GREEN 〜GO★FIGHT★WIN〜

2002年

アルバム『GREEN』を引っ提げて行われたツアーの模様を収録。こちらもやはり見事な曲順で、初っ端からアルバム最後に収められていた①でスタートしたのもサプライズでしたし、⑤⑥⑦の流れるような展開、うっとりさせる⑧や、⑬のクライマックスで強烈なシャウトをお見舞いしてからの怒涛の畳み掛け⑭⑮⑯⑰は正にロック・ショウのお手本。珍しいアコースティック・ヴァージョンによる⑨⑩も貴重でした。

稲葉浩志

志庵

志庵

2002年

前作が"冷血"でひんやりと幕開けたのに対し、本作はインパクトのあるサビとラストの「オノレを知れ...」が圧巻なハードロック①でスタート。その後も④⑧⑨⑪など随所でロックは鳴り響くものの、アルバムの印象としては②③⑤⑥⑦⑩など、むしろじんわりと沁み入る歌が多く、そんな本作を象徴するような⑫が心地良い余韻を残してくれる。ラジオで5曲掛けるとしたら、今選ぶなら⑦②⑤③⑫とか。ちょっとおセンチですかね。

松本孝弘

西辺来龍 DRAGON FROM THE WEST

西辺来龍 DRAGON FROM THE WEST

2002年

『華』と同時リリース。思わず「Thunder!」とか叫んでしまいたくなるハイテンションな①を皮切りに、1stや2ndを想起させるHM/HR成分をまぶしつつ"FOREVER MINE"等に繋がるポップさも併せ持った②③、The Ventures風な遊び心④、ちょっぴりおセンチな⑤、壮大な感動バラード⑥など、「This is TAK MATSUMOTO!」が凝縮したロック・サイドの1枚。

華

2002年

同時リリースの『西辺来龍 DRAGON FROM THE WEST』に対し、メロウな部分をフィーチュアした作品集。チェン・ミンに寄り添うような美しいプレイを聴かせる主役①③の他、"#1090 〜Thousand Dreams〜"のスロウ版②、七緒香さん提供曲のセルフ・カヴァー④⑪、後に"BLUE"と呼ばれる⑤、ジミヘンのカヴァー⑦、オムニバス提供カヴァーの別ミックス⑧など、重要曲がズラリ。

2003

アルバム

BIG MACHINE

BIG MACHINE

2003年

13作目。デビュー15周年となる節目に刻み込んだ1枚で、ストレートな①③やハード・ドライヴィンな④、人気曲"恋心 (KOI-GOKORO)"のパート2とも言われる⑤他、⑩⑪といったミドル・チューンやメロウな⑬では余裕も感じさせつつ、タイトル・トラック⑧では「止まらず走り続ける」というバンドの意志もハッキリと表明。またそんな中でも、ぶっといリズムとキャッチーなメロディが合体した⑦、ハーモニーがサビを牽引する⑨、未来的なサウンドと爆発するサビが印象的な⑫などは新機軸と言える。シングルは②⑥で、特に⑥はLIVEっぽいバンド・アレンジが施されており聴き比べ推奨。ラジオで5曲掛けるなら①④③⑤⑪。

シングル

IT'S SHOWTIME!!

IT'S SHOWTIME!!

2003年

34thシングル。①はLIVE-GYM参戦日にゲートをくぐるあの興奮を100%伝えてくれる1曲ですが、LIVE-GYMでは後半に演奏されることが多い不思議。シングルでは打ち込み主体ですが、アルバム『BIG MACHINE』にはよりLIVE感を増したバンド・ヴァージョンで収録。②は"さよならなんかは言わせない""ONE"に続く卒業ソングで、オリジナル・スタジオ・アルバムには未収録の隠れ名曲。

野性のENERGY

野性のENERGY

2003年

35thシングル。①は"ゆるぎないものひとつ"と"MY LONELY TOWN"が合わさったような渋味とカッコ良さを併せ持ったハードロックで、挫折と諦観の中で新たな兆しと救いとを見出した男の物語が胸を打つ。歌詞の音符へのハマり具合も見事です。②は、個人的にはキッズ系アニメのエンディングにも合いそうだと勝手に思っているキャッチーで愛嬌のある佳曲で、オリジナル・スタジオ・アルバムには未収録。

稲葉浩志

KI

KI

2003年

「EP」或いは「ミニ・アルバム」と呼んだ方がしっくり来そうですが、一応「シングル」扱い。主役はB'zを思わせるハードロック①で、B'z関連では珍しいタイプのリミックス③と、"Brotherhood"ツアーが始まりそうなオーケストラ・ヴァージョン⑤も聴ける。②も④も『志庵』好きなら間違いの無いしっとり系大人バラードで、特に③での抑えていた激情を解き放つような「その手をはなしちゃいけない」は必聴。

松本孝弘

異邦人

異邦人

2003年

『THE HIT PARADE』に先駆けてリリースされたシングル第1弾。①は久保田早紀さんによる名曲のカヴァーですが、「featuring ZARD」と聞いて抱く期待を遥かに上回る流石の名唱が吹き込まれています。②は「荒井由実」時代のユーミンさんのカヴァーで、RAMJET PULLEY等で知られる松田明子さんの歌唱によるこちらでも、原曲が持つ独特の哀感と憂いとを丁寧に再現しています。

イミテイション・ゴールド

イミテイション・ゴールド

2003年

『THE HIT PARADE』に先駆けてリリースされたシングル第2弾。①はご存知、山口百恵さんの名曲のカヴァーで、倉木麻衣さんも原曲の陰と陽を大事にした絶妙のヴォーカルで貢献しています。カルメン・マキ&OZによる代表曲②のヴォーカルはGARNET CROWの中村由利さんが担当。こちらのサウンドはスモーキーなブルーズではなく、ダークでメタリックなアプローチで光沢感を出しています。

THE HIT PARADE

THE HIT PARADE

2003年

1996年の『ROCK'N ROLL STANDARD CLUB』が洋楽カヴァー集であったのに対し、全て邦楽のカヴァーで編まれたアルバム。既発のシングル曲②⑤⑦⑰以外にも、稲葉さんによる①を筆頭に聴き所満載で、松本さんのメロディ・ワークのルーツを辿れるだけでなく、各曲をどのように料理したか、原曲との聴き比べも勿論推奨です。ラジオで5曲掛けるなら、敢えてシングル曲は外して⑮⑥⑯⑨①とか。

2004

シングル

BANZAI

BANZAI

2004年

36thシングル。①は、手締めや「万歳」が合わさることで強烈なインパクトを内包し、例えば"DIVE"等と同様、CDよりもLIVEでこそ真価を発揮する1曲。歌詞も、これまでの道程と立っている現在、そしてこれから訪れる未来をも讃えるエネルギッシュな内容。②もストレートなロック・チューンで、"Out Of Control"を想起させる性急さも魅力。①②共にオリジナル・スタジオ・アルバムには未収録。

ARIGATO

ARIGATO

2004年

37thシングル。①は僕も大好物な渋めのロック・ナンバーで、特に2コーラス目の「そこに誰もいなくても」での歌唱は他の曲では味わえないカタルシスを呼び込んでくれる。②は、例え僅かでも光明を見出し前を向いて立ち向かう気概を秘めた1曲。③はゼロ年代B'zらしいキャッチーなイントロとサビメロを持つロック・ナンバーで、"New Message"好きにもお薦め。全てオリジナル・スタジオ・アルバムには未収録。

映像

Typhoon No.15 〜B'z LIVE-GYM The Final Pleasure "IT'S SHOWTIME!!" in 渚園

Typhoon No.15 〜B'z LIVE-GYM The Final Pleasure "IT'S SHOWTIME!!" in 渚園

2004年

15周年イヤーに行われたPleasureで、しかも10年振りの渚園公演の模様を収録。だからか、未発表曲"アラクレ"でスタートする構成や、DISC 1③⑦⑨⑬、DISC 2③⑨⑩など『LIVE RIPPER』を想起させる選曲と配置も嬉しい。加えて、人気の高い"BUZZ!!"TOURやその後のツアーの印象的な場面を再現する仕掛けも随所に配されている。勿論、歌詞が更新された②も必聴。

稲葉浩志

Wonderland

Wonderland

2004年

サード・シングル。①は仄かなる火を内包する1曲で、内省的で自虐的な心境から一気に解放されるような不思議なセラピー効果を持つ。②では景色ばかりの描写によって却って距離が生まれ、大切な人の声を胸に生きていく心強さと寂しさを痛切に伝える。③は『志庵』にも合いそうなキャッチーな良曲で、①と共に『Peace Of Mind』に収録。後にINABA/SALASでコラボするスティーヴィー・サラスが①③で客演。

Peace Of Mind

Peace Of Mind

2004年

サード・アルバム。LIVEで欠かせないナンバーがずらりで、スティーヴィー・サラスのアルバムでもプレイした④を筆頭に、doaファンは①⑨を、『志庵』や『KI』のバラード好きは⑤を、“光芒”好きは⑬をといった具合にバラエティ豊か。ラスト、シリアスな歌詞に心震わす⑭も必聴です。またソロとしては初めてシングル曲②⑫が収められたのもトピックでした。ラジオで5曲掛けるなら、敢えてシングルは外して⑦⑩⑧⑭④。

LIVE 2004 〜en〜

LIVE 2004 〜en〜

2004年

ソロとしては初のLIVE映像作品であり、となると気になるのが選曲であるが、期待を裏切らない内容。『マグマ』同様いきなり①っていう悶絶の幕開けの後は、これまでの作品からノセたい曲とじっくり聴かせたい曲とをバランス良く配置。個人的にはDISC1①③④⑤⑥⑦⑧⑨とDISC2①②⑥⑦が嬉しかったです。特典映像で"波"("SURVIVE"ツアーでのパフォーマンスも公式リリースが待たれますね)も観られる。

松本孝弘

OH JAPAN 〜OUR TIME IS NOW〜

OH JAPAN 〜OUR TIME IS NOW〜

2004年

Mr. Bigで知られるエリック・マーティン、Night RangerやDamn Yankees等で知られるジャック・ブレイズとで結成されたバンドによるデビュー・シングル。『華』と『西辺来龍 DRAGON FROM THE WEST』が合わさったような和メロ・ハードロック①は、まさしく本プロジェクトを正しく伝えるリード・トラック。②はのっけからシャウトが炸裂するキャッチーでファンキーなナンバー。

TMG Ⅰ

TMG Ⅰ

2004年

シングル『OH JAPAN 〜OUR TIME IS NOW〜』に続いて発表されたフル・アルバムで、3者が培って来たハードロックを持ち寄り結晶化した②⑤⑩始め、ドライヴィンな③、和テイストが逆新しい⑥、B'zっぽいリフが嬉しい⑦、ヘヴィな⑧⑫、大団円な⑬⑭など、バラエティ豊かに、しかし驚く程自然なケミストリーへと昇華している。ラジオで5曲掛けるなら、敢えてシングル曲は外して⑥⑤⑫⑦⑭。

House Of Strings

House Of Strings

2004年

B'zやソロの楽曲を、東京都交響楽団との共演による美しいサウンドで堪能出来るアルバム。取り分けB'zファンとしては、②③⑦⑫⑬といった楽曲がどのように料理されたのか興味津々でした。⑧は"御堂筋BLUE"。⑨は"THE THEME OF B.J."の改題で、『New Horizon』でようやくお目見えするまで本作にしか収められていませんでした。クリスマス・スタンダードのカヴァー①⑭も貴重。

Dodge The Bullet

Dodge The Bullet

2004年

アルバム『TMG I』を引っ提げて行われたツアーの映像化。"My Alibi"以外全てのTMG作品のLIVEヴァージョンが堪能出来ることは勿論として、本作の目玉はやはり、Night Rangerの⑭とMr. Bigの⑮が演奏されていることでしょう。ハードロック好きは言わずもがな、これらの曲は初めてというファンにもこれを機に是非オリジナルもチェックしてみて欲しい。⑧は"御堂筋BLUE"。

2005

アルバム

THE CIRCLE

THE CIRCLE

2005年

14作目。『BREAK THROUGH』以来15年振りにカップリング曲⑨がアルバムに収められたことでも話題となった本作は、何かの儀式を思わせるオープニング曲①から激ヘヴィな②へと繋がる冒頭、キャッチーなメロディの中に閉じ込められた複雑な恋愛事情が点滅する⑥、泣きの和メロが堪能出来る⑦、The Beatles風のリズム・チェンジが施された⑪、全編英語詞による⑬など、シリアスな中にも工夫が凝らされており、全体的にゴツッとした硬質さで塗り固められているのも特徴。そんな中、④のパッと明るく前向きなロックに忍ばせた愛のメッセージがとにかく胸を熱くしてくれます。ラジオで5曲掛けるなら⑫②⑩⑦④。

シングル

愛のバクダン

愛のバクダン

2005年

38thシングル。①は文句の付けようの無いポップ・チューン名曲ですが、とにかくこの歌詞が日本中、いや世界中の人の心に届くことを祈っています。②はシンプルだが力強いロックン・ロールで、B'zはこういうことをやらしてもカッコイイという好例。③は"Thinking of you"好きにはたまらないメロディとハーモニーが堪能出来る1曲。初回限定盤のみ①のカラオケとギター・ソロ無しヴァージョンが追加収録。

OCEAN

OCEAN

2005年

39thシングル。①は"ALONE""今夜月の見える丘に"といったレガシーをしっかりと引き継ぐ正統派B'zバラード。アルバム『MONSTER』にはミックス違いで収録。②はソリッドなリフと引き締まったリズム、ゼロ年代B'zらしいヘヴィネスがカッコイイ1曲。③は"もうはなさない"系のキャッチーな曲で、2:30以降のジェフ・ベックっぽいパートもクール。②③はオリジナル・スタジオ・アルバムには未収録。

ベスト・アルバム他

B'z The Best

B'z The Best "Pleasure II"

2005年

1998年に発売された初ベストの「パート2」の名が冠されたベスト・アルバム。当時の最新シングル"OCEAN"を軸に、厳かに始まり厳かに終わる構成が印象的ですが、人気曲を畳み掛ける②③④と、LIVE-GYM本編クライマックスを思わせる⑦⑧⑨⑩の流れは強力。個人的には⑬の位置はここでは無い気がしますが…。⑥は本作だけで聴ける別ヴァージョンで、オリジナルに忠実ですが、より余裕を感じさせる歌唱が聴き所。

松本孝弘

Theatre Of Strings

Theatre Of Strings

2005年

春畑道哉さん、増崎孝司さん、大賀好修さんと、層々たるメンバーで作り上げた映画音楽の名曲カヴァー集。我らが松本孝弘さんは、『サウンド・オブ・ミュージック』から①、『ゴッドファーザー』から⑤、『燃えよドラゴン』から⑥をプレイ。この時は⑫は大賀好修さんが担当しているのが興味深いですね。唯一のオリジナル曲⑬は4人による共演。と言ってもバトル的なやつではなく、楽しいムードで締め括ってくれます。

2006

アルバム

MONSTER

MONSTER

2006年

15作目。前作に続き、本作にもカップリング曲⑪が収められている。カラフルなアルバムであり、①でパンキッシュ&メタリックに幕開けた後は、シングル群②③⑥⑪⑭が次々に繰り出される中、思わず身体が反応するレゲエちっくな④、前作のツアー時に披露された⑩他、⑧⑨⑫には久し振りに'70年代ハードロックっぽい男臭さも放り込むなど、『LOOSE』ばりにバラエティ豊か。⑪は上木彩矢さんに提供した曲のB'zヴァージョンで、"孤独のRunaway""GO-GO-GIRLS"やW-NAOの例はあったが、セルフ・カヴァーがオリジナル・スタジオ・アルバムに収められるのはこれが初めて。ラジオで5曲掛けるなら⑧⑨⑫⑦③。

シングル

衝動

衝動

2006年

40thシングル。①は熱く激しく前のめりな青春ロック・チューンで、アルバム『MONSTER』にミックス違いが収録されており、特にクライマックスの「Yeah~!!!」は聴き比べ推奨。②は、例えばアルバム『GREEN』にも合いそうなやわらかさとキャッチーさを併せ持つ曲で、Bメロのファルセットも印象的。『喰いタン』の雰囲気にも不思議とマッチしていました。②はオリジナル・スタジオ・アルバムには未収録。

ゆるぎないものひとつ

ゆるぎないものひとつ

2006年

41thシングル。①はイントロのアコギ、しゃがれたヴォーカル、男泣き必至の歌詞とサビメロといった、B'zの渋い側面を愛するファン(私だ)にはたまらない1曲。②は上木彩矢さんに提供したロック・チューンのセルフ・カヴァーで、歌詞に少し手を入れている。いずれもアルバム『MONSTER』に収録されており、丸々オリジナル・スタジオ・アルバムに収められたのは1990年の『LADY-GO-ROUND』以来。

SPLASH!

SPLASH!

2006年

42thシングル。①は個人的にも思わず快哉を叫んだ1曲で、ここまで見事に「めっちゃB'zやな!」と思わせてくれたシングル曲は久し振りでした。キャッチーなメロディ、小気味の良い歌詞のハマり具合、ズッシリとセクシーに、かつ軽やかに巻き込んでいくリズム。名曲です。②は純度の高いディスコ・ナンバーで、SURFACEも想起させる溌剌としたサビも魅力的。②のみオリジナル・スタジオ・アルバムには未収録。

映像

B'z LIVE-GYM 2006 "MONSTER'S GARAGE"

B'z LIVE-GYM 2006 "MONSTER'S GARAGE"

2006年

アルバム『MONSTER』を引っ提げて行われたツアーの模様を収録。アルバムの幕開けと同じく①で始めつつ、②にいきなり人気曲をブッ込んで来る所もB'zらしくて◎。ダンサーさんも登場して華やかな⑥⑦も本ツアーならではであるのと、個人的には'70年代ハードロックへのリスペクトが炸裂するDISC 1④⑩、DISC 2①がやはり胸アツ。強いて言うなら"無言のPromise"も聴きたかったです。(わがまま)

2007

アルバム

ACTION

ACTION

2007年

16作目。本作にもカップリング曲⑦を収録。冒頭①②から前のめりなロックで攻め立てつつ、ハイパーな⑤、軽やかな中に"SPLASH!""有頂天"系の重さも楽しめる⑥、見失いかけていた大事なものを思い出させてくれる⑧、美メロに酔い痴れる⑨、ヘヴィ・ブルーズ⑩、アコースティカルな中にダークさを溶け込ませた⑪、ラストの絶唱が心の深い所を掻きむしる⑬、軽快なリズムに乗るハードボイルドな詞がクールな⑮など、まるでアスリートのトレーニングに付き合っているようなパワフルな1枚。現在のB'zが持つ圧倒的なまでのCHAMP感は本作から始まったと言って良いのでは。シングルは③⑦⑯。ラジオで5曲掛けるなら⑤⑥⑨⑬③。

シングル

永遠の翼

永遠の翼

2007年

43thシングル。①は、愛する者達を守る為に敢えて戦いに身を投じた男達に思いを馳せずにいられない1曲。ここにあるのは僕達が受け取り、繋げていくべきメッセージだと思う。②は聴く度にラオウの顔が頭に浮かぶヘヴィなロック・ナンバー。特に「ケリをつけあうのがさだめ」「生きる手ごたえが欲しいだけの生き物」なんて、いかにもラオウなワードじゃないですか。②のみオリジナル・スタジオ・アルバムには未収録。

SUPER LOVE SONG

SUPER LOVE SONG

2007年

44thシングル。①はドライヴするベースも印象的な、ストレートしか投げません系のキモちEロック・ナンバーで、"愛のバクダン"の流れを汲むメッセージが心の奥の方を鷲掴む。②は一歩ずつ着実に進んでいく背中を抱いてくれるような歌で、中間部では"ロンリースターズ"級のパワーも炸裂。③は忍者が駆けて行くような疾走感を持つ全編英語詞によるロック・チューンで、アルバム『ACTION』とは別ヴァージョン。

2008

シングル

BURN -フメツノフェイス-

BURN -フメツノフェイス-

2008年

45thシングル。①は、稲葉さんも「背番号1の~♪」とおどけていたキャッチーなAメロから、重めのグルーヴで巻き込んでいくBメロ、強力なサビ、ラストのシャウトと、B'zの真骨頂が味わえるハードロック。②はB'zのダークでヘヴィな側面が好きな向きにはたまらない隠れ名曲で、サビメロも近年稀に見る傑作。③は子供達は勿論、大人達にこそ響いて欲しい歌。ちゃんと見て、聞いて、声を掛け合っていきたいですね。

ベスト・アルバム他

B'z The Best

B'z The Best "ULTRA Pleasure"

2008年

デビュー20周年、"Pleasure"の名を冠したベスト・アルバム第3弾。本作の目玉は勿論、"BAD COMMUNICATION"と"Pleasure'91 〜人生の快楽〜"の新録。個人的にはリリース順に並べただけの曲順がB'zらしくない気がして少し残念でしたが、Premium Live DVDは良い仕事! 特に①③⑤等は必見です。この辺りのツアーもいつかフルでリリースされて欲しいですね。

B'z The Best

B'z The Best "ULTRA Treasure"

2008年

デビュー20周年、"Treasure"の名を冠したベスト・アルバム第2弾。個人的にはDISC 1の⑨⑪⑫⑮等が特に嬉しい選曲でした。目玉は"BLOWIN'"の新録と、クリアにリミックスされた"F・E・A・R"、英語ヴァージョン2曲、そして何よりツアーでも披露された新曲2曲(NHK特番での制作過程も興味深かったですね)の素晴らしさに尽きます。DVDも③⑦⑪⑰⑲等、貴重曲満載でお薦め!

映像

B'z LIVE in なんば

B'z LIVE in なんば

2008年

応募抽選で招待された幸運な1,400名限定で行われたなんばHatch公演の模様を収録。(同LIVEは世界配信もされた) "MONSTER'S GARAGE"から間が無い為、同ツアーと近い部分もあるが、世界配信を意識してか、⑦⑪など英語ヴァージョンがチョイスされている点もポイント。取り分け⑧は『THE CIRCLE』のツアーでもプレイされなかった為、貴重なLIVE披露となった。

B'z LIVE-GYM Hidden Pleasure 〜Typhoon No.20〜

B'z LIVE-GYM Hidden Pleasure 〜Typhoon No.20〜

2008年

様々なツアーより選出された貴重なLIVE映像たちが、いちLIVE-GYMのように配列された逸品。本当に良い仕事をしてくれました…! 取り分けDISC 1①⑩⑪は夢にまで見た念願の収録であったし、他にもDISC 1④⑤⑦⑧、DISC 2①③④⑥⑧⑩⑯など、もうずっとニヤニヤが止まらない。DISC 3もソロ曲や未発表曲など貴重映像のオンパレード。パート2を心待ちにしています。

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